近年人気沸騰中のシングルモルトウイスキー。
その中でもアイラ島と言えば昔から知る人ぞ知る癖の強いアイラモルトウイスキーの産地で有名です。
そんなアイラ島の中で、逆の意味で個性的なお酒、それが「BUNNAHABHAIN」です!
あ、初見の方は全く読めませんよね?笑 ブナハーブンと読みます。
なんとこのブナハーブンは正露丸やヨードといったピートの独特の香りをほとんど感じられないのが特徴なんです。(一応、ほのかには感じます)
潮風とピートの大地が育む愛すべき島の酒、アイラモルトの曲者ブナハーブン。
今回はそんなブナハーブンを紹介していきたいと思います!商品数も多いので長いですが、是非お付き合いください^ ^
それではまずはスタンダードの12年からいきましょう!
ブナハーブン12年の味や価格
ブナハーブン蒸溜所が作るオフィシャル商品の中で、一番のスタンダードブランドと言えるブナハーブン12年。
淡路島程度の大きさのアイラ島は、古くからピートと呼ばれる泥の炭の産地として知られ、その炭をモルトの乾燥に使うことから正露丸のような癖の強いシングルモルトの産地として世界中に知れ渡りました。
しかし、このブナハーブンはスモーキーな商品が多いアイラ島のシングルモルトの中では珍しく、ピートを焚かずスモーク感のないライトな味わいなんです。
その気になる味や香りなど詳しくご紹介します!
味は?
ストレートでまず感じるのは海風のような潮の香り。そしてほのかにレモンのようなシトラス感を感じます。
口に含むと塩チョコのような塩分の中にしっかりとした甘味が残り、かすかにスモーク感も感じます。これはアイラ島の水由来の物ですかね。
少し水を加えるとシトラス感が強調されるように感じます。
とてもバランスが良く、適度に癖があり、初めてシングルモルトに触れる方なんかにオススメですね!
さて、そうなると気になるお値段ですが…
価格は?
メーカー希望小売価格だと4千円~6千円ほど。
同じアイラモルトのアードベッグやラフロイグのスタンダードな銘柄である10年と同程度の価格ですね!
ブナハーブン12年の飲み方
ブナハーブン自体がかなり完成度が高くバランスの良い銘柄ですから、そのままストレートでももちろん美味しく楽しめます!
少し加水すると風味が変わりますので、その辺の変化も楽しみながらと言う意味ではオンザロックも。
また風味はライトですが、味わいはしっかりとしていますのでソーダ割りのハイボールなんかもお食事に合わせるにはいいかもしれませんね!
さて、続いてブナハーブンの種類をいくつかご紹介いたします^ ^
ブナハーブンの種類
ブナハーブンには熟成年数の違い以外にもたくさんの種類があり、またそれぞれに個性を強調した味わいとなっていますから、飲み比べてみるととても楽しめるんですよ!
そんなブナハーブンの種類について触れていきたいと思います。
ブナハーブン18年
ブナハーブンの18年物です。
通常のブナハーブンですと、シェリー樽原酒の比率が10%程度なのですが、こちらは40%近く使用されています。
シェリー樽由来の果実味とチョコレートの様なニュアンス、また長期熟成の賜物とも言える柔らかさやバニラのようなニュアンスが強調され、とても肉厚なモルトに仕上がっています!
余韻もとても長く、ほのかに潮の風味を残す感じです。
ただちょっと野暮ったいと言うか、綺麗なモルトと言うよりは「アレもコレも詰め込みました!」的な味わいでして、とても複雑な味わいです。
加水もするごとに違う面が出てきますので、オンザロックでその変化を楽しむのが良いかもしれません。
個人的には封開けすぐよりは、少し置いてからの方が味が落ち着いてより美味しく感じました。
※残念ながら、現在はネットではなかなか販売されていないようです。
ブナハーブン25年
ブナハーブンの25年物で、こちらはアサヒから正規輸入品として入ってきておりますので、18年より手に入りやすいかもしれません。
値段は3万円もするので、手に入りやすいお値段ではありませんが笑
シェリーの少し枯れたような風味とキャラメルナッツのような甘い香りで、ローストナッツのようなモルトの味わいをベリー系の果実が包み、穏やかな海風のような余韻が長く長く続きます…。
これはストレートがオススメですね。
ブナハーブントチェック
トチェックと言うのはゲール語で「スモーキー」を意味するそうで、名前に恥じずブナハーブンにしては珍しいスモーキーな商品です。
このスモーキーさはフェノール値と言う数値で表示されるのですが、通常のブナハーブンが3-5ppmに対して35ppm。これはハードなアイラモルトと相違ない数字です。
しかしながら、スモーキーさこそあるもののどこかソフトで軽快な味わいです。
何というか、アイラモルト入門編と言った味わいです。
心地よいスモーク感と塩味、シトラス感。
ソーダ割りなんかでガブガブ飲めちゃう味わいです。
ブナハーブンクラックモナ
クラックモナとはゲール語で「積み重なって乾燥させた泥の炭」を意味するそうで、まんまピートのことですね。
先ほどのトチェックもスモーキーでしたが、あちらが軽快ならこちらは重厚。
無濾過無着色の商品で、アルコール度数も50%ありますから、しっかりと肉厚なアイラモルトとして楽しめる商品です。
量が多いし、肉厚ですからコストパフォーマンスが高いですね!!
癖があるのが好きな人にとっては、ですけど…笑
ブナハーブンステュウラーダー
ゲール語で、「操舵手」の意味を持つステュウラーダー。
1stフィルのシェリー樽と2ndフィルのシェリー樽で熟成した原酒をヴァッティングしたブナハーブンです。
このステュウラーダーは、シェリー樽由来のベリー系の風味と、ブナハーブンの塩感が心地よく感じられとても飲みやすい銘柄なんです。
その味わいはまさに酒の旨味の舵を切る操舵手ともいえるでしょう!(うまいこと言ったつもりです笑)
ブナハーブンモアンヌ
モアンヌは「泥炭」の意味で、創業当時のスモーキーなブナハーブンをイメージして作られたと言われます。
しっかりとしたスモーク感に潮が強く、何というか牡蠣のような風味…。
味わいもパンチがあって、アイラモルトらしい商品と言えます!
その他のブナハーブン
ブナハーブンにはこのようなメーカー公式の商品の他にも様々なボトラーズと呼ばれる商品があります。
これは元々モルトウイスキーがブレンデッドウイスキーの原材料として作られていた時の名残で、樽ごと買ってそのまま熟成を待ち瓶詰めしたり、自身の所有するまた違う樽で再熟して瓶詰めする業者がいるからなんです^ ^
そのどれもが一点物で、シングルカスクと呼ばれる物が多いですから、より個性が強調されたものが多いです!
是非バーなどで見かけたら飲んでみてくださいね^ ^
それでは最後にまとめを!
まとめ
ブナハーブン12年
- ライトスモークなスタンダード商品
- 飲み口は軽く、潮のような風味が特徴
- 飲みやすく、初心者向き
ブナハーブン18年
- シェリー由来の味わいが特徴
- 味わいは複雑
- 加水しながら飲むのがオススメ
ブナハーブン25年
- 長期熟成由来の柔らかな味わい
- ベリーやバニラの甘味に潮の余韻
- 是非ストレートで!
ブナハーブントチェック
- スモーキーなブナハーブン
- 味わいは軽快
- ハイボールなんかもオススメ
ブナハーブンクラックモナ
- よりスモーキーで重厚な商品
- 無濾過で度数も50%
- パンチのあるのが好きな人向き
ブナハーブンステュウラーダー
- 1stフィルと2ndフィルのシェリー樽のヴァッティング
- ベリー系の甘さが特徴
- 飲みやすく、万人向け
ブナハーブンモアンヌ
- 創業当時の味の再現
- スモーキーさと潮の風味
- 癖の強いのが好きな人向き
ざっとこんな印象でした!
ブナハーブンとは川の河口を意味するゲール語で、まんま蒸溜所の位置に由来した名前です。
河口ですから海も近く、そのせいか潮のような風味を感じるお酒が多いのが特徴的です。
熟成の期間に外気からの影響を受けるのもシングルモルトの面白さですね^ ^
気になった方は是非手にとってみてくださいねー!