酒屋はもちろん、スーパーでも陳列されているのをよく見かける「シーバスリーガル」。
あまりにも有名で、あたりまえすぎて、あまり手に取らないなあ…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
…もったいない!
まさに「灯台下暗し」ですよ!
実はシーバスリーガルには数多くのシリーズが存在し、それぞれがはっきりとした個性を持つ、非常に興味深いとも言えるウイスキーなのです…!
今回はその中でも個性が光る《シーバスリーガルミズナラ12年》について、
- 経緯やその独特な味わい
- 現在の価格
- おすすめの飲み方
を紹介するとともに、シリーズ〈8銘柄〉についてもしっかり解説していきたいと思います!
シーバスリーガルミズナラ12年の味や価格
シーバスリーガルミズナラ12年は、その名の通りミズナラ(水楢)樽で熟成させられたウイスキーです。
ラベルにもしっかり「MIZUNARA」と表記されており、その日本語的な響きに、『ん?』と思う方もいるかもしれません。
実は、シーバスリーガルミズナラ12年は「日本」をテーマに作られた特別なウイスキーなのです!
こちらはシーバスリーガルのマスターブレンダー、コリン・スコット氏が日本を訪れた際、日本文化とジャパニーズウイスキーに感銘を受けたことがきっかけで製造されました。
樽には日本人やジャパニーズウイスキーと関わりの深い「ミズナラ」を採用。
そこで熟成させるウイスキーも、日本人の味覚に合うようにブレンドされているこだわり様。
2013年10月に「日本限定」で発売された新しいウイスキーですが、瞬く間に定番シリーズの仲間入りを果たしています。
ここまでの説明で、
「シーバスリーガルミズナラ12年が私たち日本人のために作られた特別なウイスキー」
ということはわかって頂けたかなと思います。
そして「日本人のために」作られたのなら、もちろん「日本人が飲みやすい」ウイスキーであるはずですよね?
では、シーバスリーガルミズナラ12年は、一体どのような味わいなのでしょうか?
次の項目で、詳しく解説していきます!
味は?
ところで、味わいの解説に入る前に…
「ミズナラ」と聞いてすぐにイメージができる方、どれくらいいるでしょうか?
...聞きなれないですよね…。
これ、実は「どんぐりの木」のことなのです。笑
海外では「Japanese Oak」とも呼ばれるオークの一種で、日本では1930年頃からジャパニーズウイスキーの熟成に使われてきました。
ミズナラは一般的なホワイトオークに比べて成長が非常に遅く、樽として使えるようになるまで300年近くかかります。
そのためミズナラ樽は非常に珍しく、また高価なためスコッチウイスキーの熟成に使用されることはほとんどありませんでした。
そのようなミズナラ樽を「日本人のために」贅沢に使用して熟成されたのが、シーバスリーガルミズナラ12年なのです。
そしてその味わいを、次のようにまとめてみました!
〈アロマ:香り〉
梨や桃、マンゴーを思わせるフルーティーな香りと共に、微かに切りたてのミズナラやナッツの香り。全体的に芳醇で滑らか。
〈フレーバー:味〉
初めにトロピカルフルーツの甘み、そして芳醇なナッツやバニラの風味の中に、微かにバニラやシナモンの味わいを感じる。
〈フィニッシュ:余韻〉
絶妙にバランスのとれたバニラの甘みと微かに残るミズナラの香り。長すぎない余韻が次のひと口を誘う。
フルーティーさの中に感じる、ふわりとしたミズナラの存在がとても印象的です。
ミズナラの香りは「サンダルウッド(白檀)」のようだと称されることがあります。
スコッチウイスキーから漂うオリエンタルでどこか懐かしい雰囲気こそが、シーバスリーガルミズナラ12年の最大の特徴であり魅力なのです。
価格は?
公式サイトには定価表記がありませんでしたが、市場での価格は、700mlのボトルでおよそ¥3,000〜¥4,000程度。
思ったよりも高くない…!
世界的に有名なシーバスリーガルが、日本のために製造した特別なウイスキーですよ…。
それをこの価格で楽しむことができるなんて!
自宅で常に1本ストックしておいても良い価格ですね。
そしてお酒好きな友人や家族、知り合いへのプレゼントにも喜ばれそうです。
その際は、ぜひこのウイスキーが作られた経緯や、ミズナラについても教えてあげてください^^
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おすすめの飲み方
さて、気になるシーバスリーガルミズナラ12年のおすすめの飲み方ですが...
間違いなく、ストレートです。
フルーティーでほんのり甘い香り、豊潤で滑らかな口当たり、ミズナラとスパイシーさがもたらすどこか懐かしい味わいと余韻…。
1口で様々な印象を与えてくれるからこそ、ぜひ、ストレートで全てを受け止めて頂きたい。
従来のスコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーとはまた違う味わいに、1口、また1口と飲み進めたくなること間違いなしです。
また、独特な味わいを楽しむためにウイスキーと水を1:1で合わせるトワイスアップもおすすめです。
加水されることで刺激が和らぎ、ストレートとはまた一味違う味わいに気付かされることでしょう。
シーバスリーガルの種類
さて、ここまではシーバスリーガルミズナラ12年にフォーカスしてお伝えしてきました。
ブレンデッドウイスキーと言えば、まずシーバスリーガル。
というイメージで、比較的安く購入できる定番中の定番、という印象のウイスキーですが…
実はシーバスリーガルは、そのシリーズ品が数多くのコンペティションで受賞歴を持つ、名誉あるウイスキーのひとつなのです!
では、一体ほかにどのような種類があるのでしょうか?
ここからは、シーバスリーガルの種類を徹底解剖していきたいと思います!
シーバスリーガル12年
あまりに有名なボトルです。笑
皆さんもおそらく1度は見たことがあるのではないでしょうか。
数あるブレンデッドウイスキーの中で、圧倒的なシェアを誇っているウイスキーです。
スコッチのブレンデッドウイスキーと言えば、まず名前が上がることでしょう。
香りや味わいは数あるスコッチウイスキーの中でも華やか。
りんごやバニラを彷彿とさせる味わいで、すっきりとしていて飲みやすいため入門編としてもおすすめ。
加水することで華やかさが広がる傾向にあるため、飲み方は「トワイスアップ」や「ハイボール」がおすすめです。
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シーバスリーガル15年
こちらは2018年秋頃から販売が開始されたばかりの、非常に新しいシリーズです。
その特徴は何と言っても「グランド・シャンパーニュ・コニャック・カスク」で熟成させていること。
その名の通り、コニャック(ブランデー)の熟成に使用されていた樽です。
これによって、従来のシーバスリーガルよりも豊潤で上品なベルベットのような舌触りが引き出されています。
シーバスリーガル15年は、ブレンデッドウイスキー界に現代的な変化という衝撃を与えたと言われています。
味わいは、煌びやかで上品。
シーバスリーガルがもともと持つ華やかさとフルーティーさが際立っています。
ぜひ、シーバスリーガル12年と飲み比べをして頂きたい一品です。
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シーバスリーガル18年
青いラベルが印象的なシーバスリーガル18年は、完璧なバランスとスムースさを目指して製造されました。
フルーティーで甘く、そしてスパイシーな香りは「85種類のアロマ」と表現されるほど複雑です。
口当たりはこの上なくなめらかで、その味わいはダークチョコレートを彷彿とさせます。
そしてその完璧なクオリティは複数のコンペティションで評価されており、名実ともに優れたウイスキーです。
飲み方はストレートで、ぜひその素晴らしい香りと味わいを堪能してください。
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シーバスリーガル25年
シーバスリーガル25年は、1909年に「世界初のラグジュアリーウイスキー」として数量限定で生産されたウイスキーです。
一時はアメリカの禁酒法の影響を受け製造中止となっていましたが、2007年にマスターブレンダーのコリン・スコット氏によって復活を遂げました。
全体的にオレンジやチョコレートを彷彿とさせる香りと味わいは、どこまでもクリーミー。
贅沢な余韻がどこまでも続き、ついつい次の一口を欲してしまいます。
さまざまなコンペティションでの受賞歴も持っており、まさに「最高峰」のブレンデッドウイスキーと言えるでしょう。
シーバスリーガル25年チェアマンズリザーブ
シーバスリーガル25年チェアマンズリザーブは、最高評価のシングルモルト数種類をブレンドして製造されたと言われています。
"言われています"というのも、こちらのウイスキー、現在終売になっておりその情報を集めることすら難しい一品なのです…。
ボトルは非常に美しいクリスタルで作られており、1本1本ナンバリング施されています。
さらに通常のコルク栓のほか、なんと同じくクリスタルで作られた変え栓が付属しています…!
本当に、どこまでも特別なウイスキーですね…。
こちらのシリーズは、ボトリングされた時期によって「Ⅰ」「Ⅱ」の2シリーズに分けられます。
特に最初にボトリングされた方のウイスキーを見つけることはほとんど不可能に近く、大変なプレミアがついていると予想されます。
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シーバスリーガルアルティス
アルティス(ULTIS)という、変わった名前が特徴のシーバスリーガルです。
気になるその意味は…「究極の力」!
英語のULTIMATE(アルティメット:究極)とラテン語のFORTIS(フォルティス:力)から成る造語です。
シーバスリーガル歴代5人のマスターブレンダーたちへの敬意を示して製造されたのがこのウイスキー。
そのため、ボトルの底には5人を表す「Ⅴ」の文字が刻印されています。
このウイスキーには、スペイサイド地方の優れた5つの蒸留所から厳選した下記のシングルモルトが使用されています。
- シトラスのようなフレッシュさが特徴の「トーモア」
- クリーミーでバニラトフィーのような甘みが特徴の「ロングモーン」
- シーバスリーガルのキーモルトでもある「ストラスアイラ」
- 微かなスパイシーさがあり、繊細な風味をもたらす「アルタベーン」
- フローラルで蜂蜜のような香り、花のような余韻をもたらす「ブレイヴァル」
これらがブレンドされることで、究極のウイスキー「シーバスリーガルアルティス」が生まれるのです。
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シーバスリーガルアイコン
こちらのウイスキー、ボトルをよーく見てみると、緑色であることに気づくかと思います。
実はこのボトル、グリーンクリスタルから手作業で作られているのです!
その中に納められている深い琥珀色をしたシーバスリーガルアイコンは、非常に希少で古い原酒がブレンドされていることで知られています。
香りは澄んだ蜂蜜や梨、ダークチョコレートを思わせるほど深く芳醇。
そしてオレンジやピーチのようなフルーティーさと、微かなヘーゼルナッツの風味のバランスはまさに完璧です!
ほかに類を見ない滑らかさが特徴の、真に洗練されたブレンデッドウイスキーが、シーバスリーガルアイコンです。
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まとめ
それでは、シーバスリーガルミズナラ12年とシリーズ8銘柄の特徴をおさらいしていきましょう!
《特徴》
- シーバスリーガルが日本人のために、日本人の味覚に合うようにブレンドされたウイスキー。
- Japanese Oak と呼ばれる日本原産の「ミズナラ」樽で熟成された。
《味》
- 梨や桃、マンゴーを思わせる芳醇でフルーティーな香りと、微かなミズナラの香り。
- トロピカルフルーツの甘みと、ナッツやバニラの風味、ほのかなシナモンの味わいとのバランスが絶妙。
- ミズナラが醸し出すオリエンタルでどこか懐かしい余韻が、次のひと口を誘う。
《価格》
- 700mlのボトルで¥3,500ほど(定価オープン)
- お酒好きな方へのプレゼントにも良い価格。
《飲み方》
- ストレートで、フルーティーな甘さとミズナラの独特な香りを楽しむ。
- トワイスアップにすると、ストレートとはまた違う味わいを楽しめる。
ここからはシリーズ8銘柄のおさらいです
《シーバスリーガル12年》
- ブレンデッドウイスキーの中でも、圧倒的なシェア
- 華やかさを楽しむため、トワイスアップやハイボールがおすすめ
《シーバスリーガル15年》
- コニャックの熟成に使用されていた樽で熟成
- ベルベットのような舌触りで、煌びやかで上品な味わいが特徴
《シーバスリーガル18年》
- 「85種類のアロマ」と言われる複雑な香り
- 口当たりはこの上なく滑らかで、味はダークチョコレートのよう
《シーバスリーガル25年》
- 「世界初のラグジュアリーウイスキー」がコンセプト
- 一時製造中止になったが、2007年に復活した
- オレンジやチョコレートのような香りと味わい、クリーミーさが特徴
《シーバスリーガル25年チェアマンズリザーブ》
- 最高評価のシングルモルトのみをブレンドして製造されたと言われている
- 非常に手に入りにくく、まさに幻の最高級ウイスキー
《シーバスリーガルアルティス》
- 歴代のマスターブレンダーたちへの敬意を示して製造された
- スペイサイド地方の選び抜かれた蒸留所のシングルモルトが使用されている
《シーバスリーガルアイコン》
- 手作業で作られたグリーンクリスタルのボトルが特徴的
- 非常に希少で古い原酒がブレンドされている
- 芳醇な香りとフルーティーさ、微かなナッツの風味とのバランスは完璧
いかがでしたでしょうか?
大定番だと思っていたシーバスリーガルは、実は最も格式あるウイスキーのひとつだったのです!
このウイスキーは熟成年数やブレンドの仕方によって全く違う個性を持つため、シリーズで飲み比べをしてみるのも、面白いかと思います。
個人的なおすすめはもちろん、「シーバスリーガルミズナラ12年」です。笑
そのどこか懐かしい味わいに、初めて飲んだ時からすっかりファンになってしまいました。
さすが、日本人の味覚に合わせて作られたウイスキーです。
シーバスリーガル未体験の方も、しばらく遠ざかってしまっていた方も、この機会にぜひ、シーバスリーガルの魅力に(また)気づいて頂ければと思います。