正露丸ウイスキー大好きな方、もう「オクトモア」は試しましたかー!?
今回は世界でいちばんピートがえげつないと評判の「オクトモア」の特集です!
だけどこの「オクトモア」、ただピートがえげつないだけじゃないんです。
おいしくなるよう、工夫されているんですよねぇ!興味出てきた!?
今回の記事では
- オクトモアって何?
- フェノール値?何それ?
- オクトモアに書いてるあの数字って何?
- オクトモアの種類、味、価格、のご紹介
をお伝えしていきます!
では、まずはオクトモアオクトモアってさっきから何のことなん?の疑問解決からです。
オクトモアとは?
オクトモアはアイラ島にあるブルイックラディという蒸留所が造っている世界で最もスモーキーなシングルモルトです。
スモーキーなだけではなく、華やかさとフルーティーな甘みを持つなかなかデキる奴です。
元ボウモア蒸留所でブランドアンバサダーをしていたジム・マッキュワン氏が業績が悪かったブルイックラディを再建、当時はブルイックラディの設備ではスモーキーなウイスキーを造るのは無理だと言われていたのを、ピートを低温でじっくりと焚くという製法で世界一ヘビーなモルトを造っちゃいました。
根性ですな。
できないと言われていることをやってのける人は本当に尊敬に値します。
では、ジム・マッキュワン氏はどこまでヘビーななウイスキーを造っちゃったのでしょうか、というお話です。
世界最強ピート!?
さて、お勉強の時間ですよ。
フェノール値って知っているかなー?
単位はppmで表され、スモーキーでピートの風味を出すフェノール性化合物の含有量を示します。
通常はわずかにスモークの香りがするモルトウイスキーが造られます。
10ppmではピートレベルはかなり軽いと考えられ、25ppmで中位と考えられ、40~50ppm以上ではよく乾燥されたピートと見なされ、スモークの香りが強いモルトウイスキーであると考えられます。
ブルイックラディ蒸留所で造られている「ブルイックラディ・ザ・クラシックラディ」のフェノール値はなんと5ppm以下です。
全てのスコッチの中でも最もピートを焚きこむ量が多いとされるアードベック10年で55ppm、オクトモア09.1スコティッシュバーレイが156ppmです。
でも以前に造られたオクトモアには300ppm超えもあったくらいなので、これはオクトモアにしてはおとなしい方ということで。
そういう訳でオクトモアは世界中の正露丸マニアに愛されるようになったわけです。
さあ、それでは世界中の正露丸マニア垂涎の的のオクトモアのご紹介にまいりましょう!
オクトモアの種類
オクトモアの名前に付いている数字は初めの数字がエディション番号を指し、後ろの「.1」は100%バーボン樽を使用していること、「.2」はワイン樽熟成原酒がブレンドされていること、「.3」はオクトモア農場産大麦を100%使用していること、「.4」は新樽熟成原酒使用を指しています。
今で9番目のシリーズが出ているということで、「09」というのが一番新しいシリーズですねー。
オクトモア09.1スコティッシュバーレイ
このモルトは2011年に収穫されたスコットランド産コンチェルト種大麦を使って2012年に蒸留されたモルトです。
ジム・ビームやジャックダニエルなどのファーストフィル・バーボンバレルで5年間熟成されています。
ウイスキーで5年間熟成というと若いと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、スモーキーさをより感じるのは若い原酒であり、若いからといって熟成感を感じさせないかというとそうでもないことが飲めば分かるというモルトに仕上がっています。
2019年2月4日より発売、限定本数42,000本、旧製品である「オクトモア08.1スコティッシュバーレイは在庫限りで販売終了、というように新バージョンが出ると旧バージョンはもう造られることはなくなり、今は「エディション09」しか造られないという形式で販売されています。
アルコール度数59.1度、156ppm、700mlで15000円前後で手に入るようです。
スモーキーさとオークの香り、バーボン樽ならではのバニラやカルメラの香りも感じることができます。
味わいは高いフェノール値にしてはあまり攻撃的ではなく、舌の上に優しく広がるナッツやヌガー、ココナッツにフローラルさまで感じます。
そして長いピートのフィニッシュがたまりません、潮気やかすかな糖蜜も感じられます。
・・・奥深いですね。
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それでは、次はアイラバーレイのご紹介をいたしましょう。
オクトモア09.3アイラバーレイ
アイラ島のオクトモア農場で2011年に収穫されたコンチェルト産の大麦のみを使って2012年に蒸留されたモルトです。
熟成期間は5年、ファーストフィル・アメリカンウイスキーカスク25%、サードフィル・ヴァージンオークカスク25%、セカンドフィル・リヴザルトワインカスク20%、セカンドフィル・シラー種ワインカスク20%、セカンドフィル・バーボンカスク10%の構成になっています。
2019年3月4日発売、限定本数18,000本、アルコール度数62.9度、133ppm、700mlで25000円前後でしょうか、もうすでにかなり価格にバラつきが出始めています。
大麦の香りを活かした造りで、他には紅茶やシロップのような甘い香りも楽しめます。
味わいもシロップのような甘さと大麦、洋ナシ、ピーチの甘さにヒースの花のようなフローラルさもあります。
そしてやっぱり長く続くスモーキーなフィニッシュ、軽く焦がしたオークの香りや潮っぽさも感じられます。
生産本数が少ない分、こちらの方が値上がりが早いようですね。
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それでは次は人気だった「08.4」のご紹介です。
オクトモア 08.4 ヴァージンオーク
人気だった「08」エディションの最後に発売されたこのボトルは原酒の20%を新樽で熟成し、残りの80%はファーストフィル・バーボン樽で熟成後、「07.4」で使用したヨーロピアンオークで後熟するという手の込みようです。
しかも2008年に収穫した大麦を2009年に蒸留し、8年間熟成してからヴァッティングしています。
2018年4月23日に発売、限定本数12,000本、アルコール度数58.7度、170ppm、700mlで小売希望価格2万円でしたが、売り切れていて今はネットで手に入れるのも難しいかと思います。
バーで探せば残っているところがあるかもですね。
香りはかすかなスモーク、甘いはちみつのような香り、大麦やオークの香りが初めに現れ、スモークがスパイスや花のような香りを伴って再び現れるが、時間が経つと樽由来のキャラメルやバニラ、ココナッツがより強く顔を出し、スモーキーさは薄れていく。
味わいははちみつのような舌触りで甘みのあるオークのフレーバー、煙とオークの間に隠れていたレモンと潮の刺激も加わり、少し加水するとリンゴのような甘みも開いてくる。
フィニッシュはクローブやアニス、コーヒーがピートのスモークとかすんでいく、長い余韻のオクトモアらしいフィニッシュです。
オクトモアにしては長熟でスモーキーなだけじゃなく、複雑な味わいが楽しめるボトルなので、お店で見つけたらぜひ試していただきたいボトルですね。
次はオクトモア10年、今はセカンドエディションが出ています。
オクトモア10年
オクトモア10年は2011年に初めのファーストエディションが発売され、好評を得て、現在はセカンドエディションが2016年12月12日に発売されました。
60%がファーストフィル・バーボン樽、40%がグルナッシュ・ブラン樽の構成で全ボトルシリアルナンバー入りのシングルヴィンテージボトルです。
アルコール度数57.3度、167ppm、700mlで24,000円前後で手に入るようです。
スモーキーでチョコレートのような香りや、レーズン、ミント、はちみつやレモンの香りも楽しめます。
味わいはクリーミーで舌先に甘さやフルーティーさも感じることができます。
フィニッシュはピートスモークと潮の香りが長く続きます。
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さあ、それではまとめに入りましょう。
まとめ
世界最強のピートウイスキーは正露丸マニアを満足させるだけでなく、フェノール値に驚いて腰が引けてしまっている人にも一度は試していただきたいボトルになっています。
甘みやスモークのバランスを考え抜いて造っているので正露丸のことばかりを心配するボトルではないということですね。
飲んでみなければわからない、この味、香りの絶妙なバランスを体感してみてください。
それではまとめますよ。
- オクトモアはアイラ島のブルイックラディ蒸留所で造られている世界でいちばんフェノール値の高いウイスキーである
- フェノール値とはスモーキーでピートの出すフェノール性化合物の含有量を示す数値で単位はppmで示される
- オクトモアは初めの数字がエディション番号で、最新は「09」、後の「.1」「.2」「.3」「.4」で製法を表しています
- 「.1」は100%バーボン樽使用
- 「.2」はワイン樽熟成原酒ブレンド
- 「.3」はオクトモア農場大麦100%使用
- 「.4」は新樽熟成原酒使用
- オクトモア10年は現在はセカンドエディションが発売されている
こんなところでしょうか。
初心者の方にとっては正露丸のあの匂いは苦手とおっしゃる方が多いですが、スコッチには多かれ少なかれ使用されるのが普通ですし、あの香りがまったくないと味気ない感じになるものです。
少しずつトライしていきましょう。
慣れですよ、あれは。
好きな人は大好きなものですからねー。
私も初めは苦手でした。
みんな初めは一緒ですからね、大丈夫!レッツトライ!!
それではまた!ごきげんよう!!