常陸野ネストビールで有名な木内酒造。実は木内酒造ではジャパニーズウイスキーである日の丸ウイスキーが造られています。この記事では木内酒造と蒸留所である八郷蒸留所の誕生、日の丸ウイスキーをご紹介します。

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木内酒造( 八郷蒸溜所)とは

茨城県那珂市にあり1823年(文政6年)から続く老舗の酒造である木内酒造。この酒蔵では清酒や焼酎、ワインやリキュールと様々なお酒をつくってきました。そんな木内酒造が、筑波山の麓、石岡市の八郷につくったのが八郷蒸留所。2020年から八郷蒸留所は本格的に始動しました。

創業から約200年の木内酒造

創業から200年以上になる木内酒造では、酒造りにおいて大切にしていることがあります。

前社長である木内造酒夫(みきお)氏が木内酒造を継承した昭和25年頃は、 終戦後の物不足の時代でした。酒は飛ぶように売れたのですが、本来米から醸造される清酒に、アルコールや砂糖を加える三倍増醸が発明されてしまい、 コストの安い酒が大量に造られるようになりました。 

世間ではコストの安い酒が造られているなか、木内はあくまでも品質にこだわり本物の醸造、純米による酒づくりをおこなっていました。

その酒造りの心は今も木内酒造で働く一人ひとりが受け継ぎ、丹精こめて酒造りをおこなっています。

長い歴史でおこなわれた多様な酒造り

木内酒造では様々なお酒造りをおこなっています。歴史のある清酒造りはもちろん、ジャパニーズエールやワインと多種多様なお酒をつくっています。長い酒造りの歴史から、伝統製法にこだわっているように思われますが、革新的なお酒造りもおこなっています。

たとえば生酒造りにおいてですが、ビール製造に使う密閉タンクを、日本酒の貯蔵に利用することで一年中生酒の販売を可能にしました。木内酒造は伝統製法だけでなく、様々な工夫やアイディアで新たな酒造りを追求しています。

 

ビール醸造所の片隅で試行錯誤の末、八郷蒸留所設立

2016年ごろから木内酒造ではウイスキー造りが試されていました。

木内酒造では日本の原材料だけを使用したジャパニーズエール「ニッポニア」を誕生させたのですが、ニッポニアを造るなかで出てくる大麦の中に、ビール醸造には使いにくい高デンプンのものがありました。

この大麦を廃棄せず、日本らしいウイスキー造りに活かしたいと考えられ、2016 年から新たな挑戦としてウイスキー造りが始まりました。

ビール醸造所の一画で試行錯誤を重ねた末、筑波山麓の茨城県石岡市八郷地区に蒸溜所を設立し、八郷蒸留所は2020 年に本格的に始動。

培われた酒造りの技術をウイスキーに活かす

日本酒やビールをはじめ、様々なお酒を造りつづけてきた木内酒造でも、ウイスキー造りははじめてのこと。しかし木内酒造にはこれまで培ってきた酒造りの技術や知識があるので、日本酒やビールの技師らが知識をだして蒸留システムを設計しました。

多様な酒造りの技で新たなウイスキー造りを切り拓く

これまで培ってきた酒造りの知識や経験値を活かしておこなわれた蒸留所作り。また、風土に馴染んだ施設を再利用する形で蒸留施設を準備しました。これまで木内酒造がおこなってきた蒸留所作りやウイスキー造りのこだわりをご紹介します。

世界中から設備を選び抜き蒸留システムを自ら設計

木内酒造では新たな蒸留器を準備する際に、海外のメーカーに発注せず酒造に勤める技師たちが知恵を出しあい、独自の設備を作り上げました。ポットスチルなど設備を世界中のメーカーから選び抜き組みあわせて、木内酒造の個性が光るウイスキー造りをおこなっているのです。

また、物づくりへのこだわりは蒸留所施設を用意するときにも現れています。八郷蒸溜所は石岡市の旧公民館をリノベーションし、修繕に使用した木材はすべて石岡産。この地に馴染んだ蒸溜施設でなければ、風土に即したウィスキー造りはできないと考えたからでした。

国産の素材にこだわり風土が磨くウイスキー

国産の素材にこだわったビール造りをしている木内酒造は、ウイスキー造りでも国産にこだわりました。日本の多種多様な恵みを活かしたウイスキー造りに日本ならではのウイスキーを作り上げた木内酒造。

大麦、小麦のほか、米糠や蕎麦の実、トウモロコシなど様々な国産のものを使っています。関東の灘とも称されている八郷は、筑波山の東の麓にあり、年間雨量が少なく昼夜の気温差が大きいことから自然の恵みを一身に受けた作物がたくさんとれます。このような豊かな風土で八郷蒸留所のウイスキーは磨かれています。

ビール酵母を利用した醸造

さらにビールや日本酒の製造工程で得られたオリジナルの酵母を培養して使用しジャパニーズグレーンウイスキーをつくり上げました。このような醸造方法は、多様な酒造りをおこなっている木内酒造ならでは。

日本から挑み、日本を伝える「日の丸ウイスキー」

2016年から始まった木内酒造のウイスキー造り。とことん国産や、自分たちの手でつくりあげることにこだわる木内酒造のウイスキーは、ふるさと納税返礼品にも選ばれています。日本を伝え、蒸留所のある地元を伝える八郷蒸留所の鍛錬と挑戦は続きます。

八郷蒸留所の日の丸ウイスキーを紹介

木内酒造、八郷蒸留所の日の丸ウイスキーは様々な商品がリリースされています。それぞれ個性的なウイスキーをご紹介します。

日の丸ウイスキー 2023 CELEBRATION

紫峰・筑波山の東麓に位置する八郷蒸溜所で蒸留した原酒のみを用いたシングルモルトウイスキー。バーボン樽、シェリー樽、赤ワイン樽でそれぞれ熟成させたモルト原酒をブレンドしており、新しい年を迎える華やかな香りを楽しめます。12月に700本限定販売。

 

モルトウイスキー

アルコール分 48%

内容量 700ml

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日の丸ウイスキー ポートカスクフィニッシュ

ビールを醸造している額田蒸溜所で2016年に蒸留したモルト原酒をシェリー樽で4年間熟成させたのち、ポートワイン樽で1年間熟成しフィニッシュさせたシングルモルトのジャパニーズウイスキー。2つの樽を使用した複雑で奥行きのある味わいを楽しめます。

 

モルトウイスキー

アルコール分 48%

内容量 700ml

日の丸ウイスキー さくらカスク

額田蒸溜所で2016年に蒸留した原酒をさくら樽に詰め、筑波山の東麓で熟成させたシングルカスクのジャパニーズウイスキー。自然に磨かれた華やかな味わいをどうぞ。

 

モルトウイスキー

アルコール分 48%

内容量 700ml

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日の丸ウイスキー The 1st Barrels

200年を迎える木内酒造の新しい試みである日の丸ウイスキーは、茨城県産の大麦や小麦、米を一部もちいて、額田蒸溜所と八郷蒸溜所それぞれで、蒸留した数種類の原酒を筑波山の東麓の自然の中で熟成させました。

 

モルトウイスキー、グレーンウイスキー

アルコール度数 48%

内容量 700ml

 

日の丸ウイスキー シングルモルトニューポット

2020年に稼働した八郷蒸溜所で蒸溜したモルト原酒のニューポット。2023年に創業200年を迎える木内酒造が、清酒やビールで培ってきた知識と技術で発酵にこだわって作り上げた熟成前のウイスキー原酒。

 

アルコール分 63%

原材料名 麦芽(外国製造)

内容量 200ml

 

日の丸を背負った八郷蒸留所のジャパニーズウイスキー

木内酒造の八郷蒸留所と日の丸ウイスキーはまだまだ始まったばかり。日本の素材や、自社の商品でつくり上げることにこだわる八郷蒸留所。これからも様々な挑戦を続けていきます。

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