日本だけでなく、海外からも非常に人気のある「竹鶴」。
フルーティーな香りと優しい味わいで飲みやすいウイスキーで、ストレートはもちろんハイボールやハーフロックなど、さまざまな飲み方で楽しめます。
しかし、竹鶴は原酒不足が原因で、ほとんどの種類が供給されていない状況です。
現在、販売されているのは「竹鶴ピュアモルト」のみとなっています。
竹鶴は簡単に手に入るウイスキーではありませんが、「ジャパニーズウイスキーの父」と呼ばれている「竹鶴政孝氏」の名前を冠している名作です。
そのため、まだ飲んだことのない人は味わいや種類ごとの違い、歴史などが気になっているのではないでしょうか?
この記事では、竹鶴の特徴や歴史、全6種類の特徴を解説していきます。
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竹鶴とは?
竹鶴とは、ニッカウヰスキーが製造して、アサヒビールが販売しているウイスキーです。
ニッカウヰスキーの創業者である「竹鶴政孝氏」の名前が付けられているほどの自信作で、世界中のウイスキー愛好家から評価されています。
ピュアモルトとシングルモルトの違いは?
竹鶴は「余市蒸溜所」と「宮城峡蒸溜所」の2ヶ所で作られたモルト原酒を掛け合わせたヴァッテッドモルトウイスキーのため、「ピュアモルト」と呼ばれています。
ピュアモルトとよく比較されるシングルモルトとの違いは、「1つの蒸留所で作られたモルト原酒だけをブレンドしているかどうか」です。
- ・シングルモルト:1つの蒸留所で作られたモルト原酒のみをブレンド
- ・ピュアモルト:複数の蒸留所で作られたモルト原酒をブレンド
たとえば、竹鶴と同じニッカウヰスキーが製造している「余市」は、余市蒸留所のモルト原酒のみで作られているシングルモルトです。
竹鶴は「余市蒸溜所」と「宮城峡蒸溜所」のモルト原酒が使われているため、ピュアモルトに分類されます。
ちなみに、「ピュアモルト」は日本で生まれた製造方法で、基本的に海外では使われない言葉です。
海外では、複数の蒸留所で作られたモルト原酒をブレンドしているウイスキーのことを総じて「ブレンデッドウイスキー」と呼んでいます。
竹鶴の歴史
竹鶴の販売開始は2000年で、「ブレンデッドウイスキーのように飲みやすいピュアモルトウイスキー」をテーマに開発されています。
当時のライバル企業であったサントリーの「山﨑」に対抗して、価格は2,450円と控えめな価格設定でした。
2000年に「竹鶴12年ピュアモルト」、2001年には「竹鶴17年ピュアモルト」、その後は「竹鶴21年ピュアモルト」「竹鶴25年ピュアモルト」と次々に販売されていきました。
世界的な酒類品評会であるISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)では、これまでに6回の金賞を受賞しています。
その他にも数多くの受賞歴があり、竹鶴は日本だけでなく世界から愛されているウイスキーであることが理解できるでしょう。
今でも販売している竹鶴はある?
世界中から愛されている竹鶴ですが、ウイスキーブームによる需要増加と原酒不足によりほとんどの種類が販売を終了しています。
現在でも販売されているのは「竹鶴ピュアモルト」のみです(2023年4月現在)。
竹鶴ピュアモルト以外の「竹鶴」が再販される可能性は今後も低いため、希少価値はどんどん上がっていくでしょう。
そのため、興味のある人はなるべく早めに購入しておくことをオススメします。
竹鶴の6種類と味わいを解説
竹鶴には、以下6つの種類があります。
- ①竹鶴ピュアモルト
- ②竹鶴12年
- ③竹鶴17年
- ④竹鶴21年
- ⑤竹鶴25年
- ⑥竹鶴35年
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
①竹鶴ピュアモルト
竹鶴ピュアモルトは、現在も販売されている唯一の「竹鶴」です。
熟成年数が表記されていない「ノンエイジウイスキー」に分類されるウイスキーで、簡単に手に入ります。
フルーティーで軽い口当たりが特徴で、爽やかな甘酸っぱい香りを感じられるでしょう。
ウイスキーが苦手な人でも飲みやすいと感じる人が多く、入手もしやすいため初心者にもオススメできるウイスキーです。
②竹鶴12年
はじめて発売された竹鶴が「竹鶴12年」です。
2000年に販売されてからは、竹鶴のスタンダードボトルとして非常に人気がありました。
最低でも12年以上熟成させたモルト原種のみをブレンドしているため、やはり竹鶴ピュアモルトと比べると味も香りも濃厚です。
ウイスキーは熟成年数が長いほど味が洗練されると言われていますが、竹鶴12年の完成度は高く、「竹鶴17年」よりも「竹鶴12年」が好きな人も少なくありません。
2008年と2014年にISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)の金賞を受賞しており、世界から評価されているウイスキーです。
2014年に販売終了したため、入手するにはオークションサイトで購入するしかありません。
安いウイスキーではありませんが、バーなどで出会ったら迷わず飲んでみるべきでしょう。
③竹鶴17年
酒齢17年以上のモルト原種をブレンドして作られたのが「竹鶴17年」です。
モルトらしいコクのある香りと甘味の強い味わいが特徴で、絶妙なバランスが楽しめます。
ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)の金賞や、WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)に選出されるなど、輝かしい成績を残してます。
しかし、2020年に販売終了が決定して、現在はネット上で高額取引されるようになりました。
④竹鶴21年
「竹鶴21年」は、21年以上の長期熟成モルト原酒をブレンドして作られたウイスキーです。
長期熟成により一段と甘みが強くなっており、フルーティーで濃厚な仕上がりになっています。
4度のWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)選出、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)の金賞受賞など、世界中から非常に高く評価されています。
しかし、2020年に販売が終了しており、個人でボトルを購入するのは価格的にかなり厳しい状況です。
竹鶴21年を味わってみたいのであれば、ボトルを購入するよりもバーで探してみる方が現実的でしょう。
⑤竹鶴25年
竹鶴25年は、25年以上も熟成させている長期熟成モルト原酒をブレンドして作られたウイスキーです。
香り・味わい・後味、すべてにおいてコクが増しており、価格に見合った価値があります。
爽やかなフルーツの香りと味わい、ピートのビターな後味が絶妙なバランスで成立しています。
まさに「ジャパニーズモルト最高峰」の名にふさわしいウイスキーです。
発売時の参考小売価格70,000円でしたが、現在はネット上で20〜30万円で取引されています。
⑥竹鶴35年
竹鶴35年は、2007年に1200本限定で販売されたプレミアムウイスキーです。
「竹鶴」といえば「余市蒸溜所」と「宮城峡蒸溜所」のモルト原酒をブレンドしたピュアモルトですが、「竹鶴35年」は余市蒸留所・宮城蒸留所・峡西宮蒸溜所のモルト原酒を使用しているブレンデッドウイスキーとなっています。
製造年も古く1200本という超希少なウイスキーなので、実際に飲んだ人も少なく、主にコレクション目的で取引されているのが実情です。
熟成期間も35年と非常に長く、3つの蒸留所で作られたモルト原酒をブレンドしているため、他の竹鶴とは次元の違う味わい深さを持っています。
竹鶴の飲み方はどれが美味しい?
次に、竹鶴の美味しい飲み方を紹介していきます。
竹鶴の美味しい飲み方その①ストレート
竹鶴の美味しさをもっとも引き出す飲み方は、やはりストレートです。
しっかりと香りを楽しむために、チェイサーを用意してゆっくりと楽しむといいでしょう。
どの年代も輝かしい受賞歴があるため、バーなどでそれぞれを飲み比べてみるのもオススメです。
竹鶴の美味しい飲み方その②ハイボール
熟成年数の低い竹鶴はアルコール感がやや強いため、ハイボールもオススメです。
竹鶴は香りが強いため、ハイボールにしても風味を保ちつつアルコール感を軽減してくれるでしょう。
しかし、ハイボールという飲み方はウイスキーの消費量が増えがちなので、すぐにボトルが空になってしまうかもしれません。
竹鶴は決して安いウイスキーではないため、ハイボール以外の飲み方も楽しみながら計画的に楽しみましょう。
竹鶴の蒸留所
竹鶴は「ピュアモルトウイスキー」なので、複数の蒸留所で作られたモルト原酒をブレンドしています。
サントリーの「山﨑」や「白州」のように1つの蒸留所だけでなく、竹鶴は「余市蒸溜所」と「宮城峡蒸溜所」のモルト原酒から作られています。
余市蒸溜所で作られているモルト原酒の特徴は「素材を活かした力強い味わい」、宮城峡蒸溜所の特徴は「華やかで軽い口当たりの香りと味わい」です。
2つのモルト原酒を引き立てる絶妙なバランスで「竹鶴」はブレンドされており、それぞれの特徴を活かした柔らかでフルーティーな仕上がりになっています。
「ピュアモルト」という独自の名前を持っている竹鶴は、世界から愛されています。
まとめ
この記事では、竹鶴の特徴や歴史、全6種類の特徴を解説しました。
竹鶴は、ストレートはもちろん、ロック・バイボール・水割りなど、さまざまな飲み方で楽しめるウイスキーです。
ベリー系のフルーティーでコクのある香りと味わいですが、ビターな後味でいつまでも美味しく飲めます。
また、受賞歴を見ればどの年代も素晴らしい完成度というのがわかるでしょう。
熟成年数の長い竹鶴は希少価値が高く、ネットでは高額取引されています。
そのため、「竹鶴21年」や「竹鶴25年」を飲んで見たい人は、バーなどで探す方が現実的です。
まだ竹鶴を飲んだことがない人は、まずは入手難度の低い「竹鶴ピュアモルト」から試してみるといいでしょう。