日本だけでなく、世界からも愛されているジャパニーズウイスキーの代名詞「サントリーウイスキー」。
サントリーは山崎・白州・響など、世界的に評価されているウイスキーを数多く手がけてきました。
その一方で、角瓶やオールドなど、低価格かつ高品質なウイスキーも人気です。
サントリーウイスキーは非常に種類が多く、「どれを選べばいいのかわからない」なんて人も多いでしょう。
この記事では、サントリーウイスキー12銘柄について解説していきます。
記事の後半では、販売中止銘柄の一覧やサントリーの歴史、蒸留所の情報もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
サントリーウイスキーの12銘柄を徹底比較
今回紹介するのは、以下の12銘柄です。
- 1.サントリーウイスキー山崎
- 2.サントリーウイスキー白州
- 3.サントリーウイスキー響
- 4.サントリーウイスキー知多
- 5.サントリーウイスキー角瓶
- 6.サントリースペシャルリザーブ
- 7.サントリーローヤル
- 8.サントリーウイスキーオールド
- 9.サントリーウイスキーホワイト
- 10.サントリーウイスキーレッド
- 11.サントリーウイスキートリス
- 12.サントリーウイスキー碧 ao
それぞれの味わいや香り、値段について詳しく解説していきます。
サントリーウイスキー山崎
サントリーウイスキー山崎は、山崎蒸溜所で生まれる原酒だけを使って作られた、非常に希少なウイスキーです。
「シングルモルトウイスキーといえば山崎」と言われるほど有名で、果実感のある甘く芳醇な香りを持っています。
ロック・ストレート・ハイボール・水割り、どんな飲み方とも相性のいいウイスキーです。
サントリーウイスキー山崎には、以下4つの種類があります。
- ・山崎
- ・山崎12年
- ・山崎18年
- ・山崎25年
いずれもアルコール度数は43%で、現在は販売していないものもあります。
特に「山崎25年」は、1999年にサントリー創業100周年を記念して販売された特別なウイスキーです。
現在はもちろん売り切れており、コレクターであればなんとしても手に入れたい銘柄の1つでしょう。
サントリーウイスキー白州
サントリーウイスキー白州は、白州蒸留所で生まれる原酒だけを使って作られたシングルモルトウイスキーです。
スモーキーな香りとキレのある味わいが特徴で、以下4つの種類があります。
- ・白州
- ・白州12年
- ・白州18年
- ・白州25年
アルコール度数はすべて43%で、どんな飲み方でもフルーティな香りを楽しめます。
しかし、サントリーウイスキーの中でも特に人気の銘柄で、価格の高騰が続いている状況です。
サントリーウイスキー響
サントリーウイスキー響は、サントリーを代表するブレンデッドウイスキーの1つで、洋ナシや柑橘系の香りが特徴です。
「ブレンデッドウイスキーの最高峰」とサントリーが称するほどの自信作で、世界中に愛好家がいます。
山﨑蒸留所・白州蒸溜所・知多蒸溜所で管理されている80万個以上ある原酒樽の中から厳選されて作られています。
4つの種類がありますが、特に響30年は希少価値が高く、年間で数千本しか作れない限定品です。
- ・響 JAPANESE HARMONY
- ・響 BLENDER’S CHOICE
- ・響21年
- ・響30年
カカオやパッションフルーツを思わせるような深い香りで、やわらかな甘味が楽しめます。
ゆっくりと香りを楽しめるストレートや少量加水がオススメの飲み方です。
サントリーウイスキー知多
サントリーウイスキー知多は、シングル・グレーンウイスキーとして有名なウイスキーです。
グレーンウイスキーとは、トウモロコシなどの穀類を主原料にして、連続蒸留機で蒸留させた樽で熟成したウイスキーを指します。
グレーンウイスキーは通常、ブレンデッドウイスキーを造る時に使われますが、知多はシングル・グレーンウイスキーです。
クセが少なくやわらかな甘味が特徴で、ハイボールにして食中酒として非常に人気があります。
また、すだちや生姜と相性がよく、アレンジレシピも公式サイトで公開されています。
サントリーウイスキー角瓶
日本で一番有名なウイスキーといえば「サントリーウイスキー角瓶」でしょう。
全国のスーパーやコンビニで販売されており、700mlで1,300円前後と非常にお求めやすい価格です。
口当たりは甘くまろやかで食事の邪魔にならない、まさにハイボールのためのウイスキーでしょう。
発売から80年以上経っている超ロングセラー商品ですが、現在でも売上No.1を誇っています。
アルコール度数も40%と比較的低いため、長くお酒を楽しみたい人にオススメです。
サントリースペシャルリザーブ
リザーブ・ローヤル・オールドは、昔からお馴染みのサントリーを代表するロングセラー商品です。
「ウイスキーをオヤジと言ったのは誰だ」このセリフで話題となったテレビCMを覚えている人も多いのではないでしょうか?
バニラのような甘い香りとまろやかな口当たりが特徴で、発売当初(1969年)はオールドと並んで大人気ウイスキーでした。
その後は新商品の勢いに負けてしまい、現在はそれほど人気がありません。
ただし、リザーブのキーモルトは「白州」です。
そのため、休売となっている白州12年と味わいや香りが似ているリザーブが徐々に再注目されています。
「白州を飲んでみたいけど高いから手が出せない」なんて人にオススメのウイスキーです。
サントリーローヤル
サントリーローヤルは、シロップのような甘い香りやリンゴのような爽やかさが特徴的なウイスキーです。
ブレンデッドウイスキーでアルコール度数は43%、価格は700mlで3000円前後となっています。
サントリー創業者である「鳥井信冶郎氏」が最後に作ったウイスキーで「最後にして最高」と称されています。
独特な香りでアルコール臭がややきついため、水割りがオススメです。
サントリーウイスキーオールド
サントリーウイスキーオールドは、通称「ダルマ」「タヌキ」で愛されているサントリーのロングセラー商品です。
1950年に販売されてから徐々に人気を博していき、1970年ごろは日本で大ヒットしていました。
レーズンなどのフルールの香りと甘みで飲みやすく、どんな飲み方でも楽しめます。
種類は1つのみで、アルコール度数43%、価格は700mlで1600円前後とコストパフォーマンスも優秀です。
サントリーウイスキーホワイト
サントリーウイスキーホワイトは、創業者の「鳥井信冶郎氏」が最初に作ったウイスキーです。
今では世界中から愛されているサントリーウイスキーの記念すべき第1号で、当時は「白札」と呼ばれていました。
レーズンの華やかな香りが特徴で、味わいはオールドと似ていますが、ホワイトの方がややアルコール臭がキツめです。
クセは控えめなので、ロックやハイボールがオススメの飲み方です。
サントリーウイスキーレッド
サントリーウイスキーレッドは、先ほど紹介した「ホワイト」の弟分として登場したウイスキーです。
発売当初は「白札」と呼ばれていたホワイトと同様に、レッドは「赤札」と呼ばれていました。
ホワイトよりもコストパフォーマンスが高いことで人気となり、1977年ごろに放送されていたテレビCMをきっかけにロングセラー商品になるほど成長しました。
ホワイトよりもアルコール臭はキツめで、フルーティな香りと味わいが特徴です。
サントリーウイスキートリス
サントリーウイスキートリスは、1958年に登場してから「うまい・やすい・トリス」のキャッチフレーズで親しまれているウイスキーです。
お酒をあまり飲まない人でも、特徴的なキャラクターとテレビCMで名前だけは知っている人も多いでしょう。
アルコール臭はキツめですが甘みが強いため、飲みやすくハイボールが定番の飲み方です。
加水するとフルーティな香りが強くなるため、冬はお湯割りでも楽しめます。
サントリーウイスキー碧 ao
サントリーウイスキー碧 aoは、2019年に登場した比較的新しいウイスキーです。
華やかな甘みとまろやかな口当たりが特徴で、後味はスモーキーでゆっくりと味わいと香りを楽しめます。
非常に飲みやすく、ストレート・ロック・水割りなど、飲み方によって違う美味しさを感じられるでしょう。
価格は700mlで5,000円前後なので、「本格的なウイスキーの1本目」としてオススメです。
サントリーウイスキーの販売中止銘柄一覧
最近はウイスキーブームが加速しており、急激な需要の増加に供給が追いついていない状況です。
そのため、サントリーは原酒不足に悩まされており、多くの銘柄が販売中止や休止となっています。
販売中止銘柄 | 販売休止銘柄 |
|
|
今後、再販される望みのある販売休止銘柄も、しばらくしてから販売が中止されるケースがあります。
もし飲める機会があれば、迷わずに味わっておくべきです。
サントリーウイスキーの歴史
サントリーウイスキーの歴史は1923年に創業者である鳥井信冶郎氏が京都の外れ、山崎に日本初のウイスキー蒸留所を造った時から始まります。
鳥井信冶郎氏はスコッチ製造法を学ぶうちに、「良い原酒は良い水が生み、良い熟成は良い自然環境なくしてはありえない」という考えのもと、全国の候補地から山崎を選びました。
現在は海外でも称賛されているサントリーウイスキーですが、はじめから順調だったわけではありません。
サントリー初のウイスキー「白札」は1929年に完成しましたが、評判はあまりよくありませんでした。
その後もサントリーの挑戦は続き、現在では日本で知らない人はいないであろう傑作「角瓶」が1937年に誕生します。
この頃には原酒の貯蔵量も増え、深く熟成された豊かな香味の個性的なウイスキーが続々と販売されました。
1984年には初のシングルモルト「山崎」が誕生、ブレンデッドウイスキー全盛の時代だったので冒険とも言える銘柄でしたが、現在のの人気を見れば大成功と言えるでしょう。
1989年には創業90周年記念ボトル「響17年」を発表、サントリーの原酒が美しく響きあった日本のブレンデッドウイスキーの代表格にふさわしい銘柄となりました。
2010年にはウイスキーマガジン社が主催の「アイコンズオブウイスキー2010世界部門」で、この1年で業界に著しい貢献を果たしたメーカー1社だけにに贈られる「ウイスキーディスティラーオブザイヤー」を日本のメーカーではじめて受賞しています。
サントリーはこれからも世界のウイスキー業界を牽引していく、リーディングカンパニーとして活躍していくことでしょう。
サントリーウイスキーの蒸留所
最後に、サントリーウイスキーの蒸留所を紹介していきます。
- ・サントリー山崎蒸留所(大阪府三島郡島本町山崎)
- ・サントリー白州蒸留所(山梨県北杜市白州町)
- ・サントリー知多蒸留所(愛知県知多市)
それぞれ詳しく見てきましょう。
サントリー山崎蒸留所
工場名 | サントリー山崎蒸溜所 |
所在地 | 〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎5-2-1 |
営業時間 | 10:00~16:45(最終入場 16:30) |
休業日 | 年末年始・工場休業日(臨時休業あり) |
今では世界中で愛されているサントリーウイスキーは「山﨑蒸留所」からはじまりました。
山﨑蒸留所には「山﨑ウイスキー会館」が併設されており、さまざまな展示やショップ、テイスティングカウンターを自分のペースで楽しめるでしょう。
ツアーも開催されており、実際にサントリーウイスキーが作られている現場を体験できます。
また、ミニチュア模型の展示を使って、モルトウイスキーの製造工程の流れなども専門のスタッフが解説してくれるため、ウイスキーの知識も深まります。
ただし、ツアーに参加する人もしない人も事前予約が必須です。
サントリー白州蒸留所
工場名 | サントリー白州蒸溜所 |
所在地 | 〒408-0316 山梨県北杜市白州町鳥原2913-1 |
営業時間 | 9:30~16:30(最終入場 16:00) |
休業日 | 年末年始・工場休業日(臨時休業あり) |
山﨑とは違った原酒を作るために誕生したのが「白州蒸留所」です。
日本有数の名水地である白州を選んだことで、軽快で穏やかな味わいを持つウイスキーを生み出せるようになりました。
山﨑蒸留所と同じく「見学」と「ツアー」2つの楽しみ方が用意されています。
白州蒸留所にはウイスキー博物館が併設されており、ショップ・BAR白州・レストランなどを楽しめます。
ツアーでは、多彩な原酒を生み出しているモルトウイスキー製造工程を見学することで、サントリーのこだわりを感じられるでしょう。
白州の大自然を満喫できる散歩コースも用意されており、野鳥のさえずりを聞きながらウイスキーを楽しめます。
サントリー知多蒸留所
工場名 | サントリー知多蒸溜所 |
所在地 | 〒478-0046 愛知県知多市北浜町16番地 |
営業時間 | 一般の方の入場はできません |
知多蒸留所では、主にとうもろこしを原料としている「知多」の原酒を作っています。
さまざまなウイスキーを設計するために、複数の原酒を作り分けている世界的にも珍しい蒸留所です。
また、「響」や「角瓶」にも使用されているグレーンウイスキーの生産も知多蒸留所で行われています。
ただし、知多蒸留場では見学やツアー、販売などは行われていません。
「山﨑蒸留所」や「白州蒸留所」のように、一般の方も入場できるわけではありませんのでご注意ください。
まとめ
この記事では、サントリーウイスキー12銘柄について解説しました。
サントリーウイスキーは非常に多くの種類がありますが、どれも定番と言えるほど人気があります。
ストレートやロック、ハイボールなど、さまざまな飲み方で楽しめるのがサントリーウイスキーの魅力です。
迷ってしまう人は、まずは王道の「山﨑」や「白州」から試してみるのがいいでしょう。