ザ・マッカランについて調べてみた!味やラインナップについても紹介!

 

ザ・マッカランの発祥と歴史

 

1824年、創業者のアレクサンダー・リードは、グレンリベットに続いてハイランド地方で2番目に蒸留所のライセンスを獲得しました。

しかし、1824年に突然ウイスキー作りが始まったわけではありません。

蒸留所の周辺がマッカラン教区と言われていた18世紀の初めには既にウイスキーは作られており、「マッカラン農場のいのちの水」としてその名が知られていました。

それ以降も密造ウイスキーとして製造されていましたが、政府登録の蒸留所としてのライセンスを獲得したことで正式にザ・マッカランの歴史はスタートしたのです。

 

マッカラン蒸留所はスコットランドの代表的な河川であるスペイ川の中流域にありますが、

この地域はスペイ川流域という意味でスペイサイド地方と呼ばれ、現在でも15の蒸留所が操業している一大生産地として有名です。

大麦の一大生産地であること、川の水が上質であること、麦芽を乾燥させるための泥炭(ピート)が豊富であること、涼しい気候がウイスキーの熟成に適していることと、好条件が揃っていることがその理由ですが、実はもう一つの出来事が大きな起因になっています。

 

イングランドがスコットランドを併合した1707年、イングランド政府はウイスキーに高額の酒税をかけました。

この酒税から逃れるために多くのウイスキー製造者はスペイ川流域で密造を始め、その結果として、蒸留所が集中することになったのです。

やがて1823年の酒税法改正により、翌1824年にグレンリベット蒸溜所が初の政府公認蒸溜所となり、密造時代は終わることになります。

 

地理的にはスコットランド北部、ハイランド地方の東側に当たり、サーモンフィッシングでも有名な地域ですが、この地域で作られるシングルモルト・ウイスキーは、特にスペイサイドモルトと呼ばれています。

ザ・マッカランはもちろん、グレンフィディックやグレンリベットといった華やかな香りと風味を持った銘柄が多く、味のバランスがよいためウイスキー初心者でも飲みやすいのが特徴です。

 

マッカランという名称は、スコットランドに伝道にきたアイルランド人牧師、聖フィランの名と、肥沃な土地を意味するゲール語の組み合わせからつけられたというのが通説です。

ウイスキーなどの創業者はよく、一族の名をブランド名として採用することがありますが、あえて一族の名をつけず、蒸留所創業当時に壊れて放置されていた教会とその教区の名前をつけたところが、ザ・マッカランの歴史の一端なのです。

 

創業者のアレクサンダー・リードは創業から23年後の1847年に亡くなり、蒸留所はジェームズ・シアラーとジェームズ・デビットソンの二人に引き継がれます。

実はそれからも数回の買収や再建によって、マッカラン蒸留所は所有者が変わっていくのですが、アレクサンダー・リードの志はずっと受け継がれ、約200年後の今でも世界中の愛飲者に向けてザ・マッカランという素晴らしいウイスキーが届けられています。

 

ザ・マッカランの製造方法と特徴

 

スコットランドには多くのウイスキー蒸溜所があり、そのほとんどが同じ過程でウイスキーを作っています。

では、ザ・マッカランは他のウイスキーとは何が違うのでしょうか。

 

1.樽に対するこだわり

 

1824年に正式な蒸留所のライセンスを取得する以前、ザ・マッカランに限らずほとんどの蒸留所がシェリー樽でウイスキーを貯蔵していました。

シェリー樽が当時大量に余っていたこともありますが、一番の理由は、密造した酒をシェリー樽に入れておけば、見つかっても「これはシェリー酒だ」と言い訳ができるためです。

 

こうして偶然にもウイスキーの味わいを大きく左右するシェリー樽が熟成に使用されるようになるのですが、樽の材料であるオーク材は産地によって性質に差があります。

ヨーロッパのオーク材はタンニンが多く、アメリカのオーク材は密度が高いという特徴がありますが、ザ・マッカランはこの2種類を併用しています。

より理想的な樽を求める探求心と、樽がウイスキーに重要な役割を果たすことを熟知しているためで、木の伐採から樽に酒が入れられるまで6年の年月をかけるといった徹底ぶりです。

 

2.業界最小のポットスチル

 

マッカラン蒸留所の蒸留釜、いわゆるポットスチルは、スコッチウイスキーの業界で最小と言われています。

ポットスチルは大きくなればなるほどアルコールの蒸気が移動するラインアームが長くなるため、軽い蒸気だけが送られることになります。

マッカラン蒸留所では小さなポットスチルにすることでラインアームを短くし、密度の高い蒸留酒を抽出することができるのです。

小さなポットスチルでは一度に多くの蒸留ができないため、当然コストが高くなります。

しかし、コストをかけてでも丁寧に最高品質のウイスキーを作るため、マッカラン蒸留所では小さなポットスチルを使い続けているのです。

 

3.完成までの熟成期間

 

オーク材から作られた樽を火入れし、そこにシェリー酒を詰めて保存することでようやくウイスキー樽はでき上がります。

でき上がった樽はマッカラン蒸留所に運ばれ、蒸留したウイスキーが詰められ、貯蔵庫に運ばれて長い熟成期間に入ることになります。

熟成している間も、専門のサンプリングチームがサンプルを選び、色合いや熟成具合などをチェックしています。

 

ザ・マッカランのラインナップ

ザ・マッカラン シェリーオーク12年

 

ザ・マッカランを象徴する、シェリーオークシリーズの12年熟成で、美しい金色の見た目を持ったウイスキーです。

優しいバニラとかすかなジンジャー、そして甘いフルーツのような香りを持ち、シェリーと濃厚なドライフルーツの味わいを持つ飲みやすいウイスキーですので、ザ・マッカラン初心者にまず最初に味わって頂きたい1本です。

ザ・マッカラン シェリーオーク18年

12年より若干色の濃い、明るいマホガニー色の18年熟成で、香りも12年よりはスパイスが効いた感じに仕上がっています。

6年長く熟成した分、ウッドスモークの味わいがして、オレンジとスパイスのような芳醇な味が楽しめます。

12年よりも若干度数は高いものの、それを感じさせないほどバランスよく仕上がっている1本です。

 

ザ・マッカラン シェリーオーク25年

18年よりもさらに濃厚なマホガニー色で、香りもウッドスモークが感じられる中にシナモンやシトラスも感じられる微妙なバランスです。

味わいはさらにウッドスモークが強く、口から消えていく間もリッチな余韻を楽しむことができます。

ザ・マッカラン シェリーオーク30年

シェリーオークシリーズの最高峰で、ザ・マッカランの粋を集めた1本です。

色はさらに濃いマホガニー色で、香りもウッドスモークがより強く感じられます。

味は濃厚になり、口の中の余韻も長く楽しめるものの、舌触りも滑らかで上品に仕上がっています。

ザ・マッカラン ダブルカスク12年

ヨーロッパ産とアメリカ産の両方のシェリー樽を使ってバランスよく作られたため、ダブルカスクと名付けられました。

シェリーカスクの12年よりも若干金色が濃く、バニラの甘い香りと、蜂蜜のように甘い味わいの1本です。

ザ・マッカラン トリプルカスク12年

ヨーロッパ産とアメリカ産の両方のシェリー樽、さらにバーボン樽を加えた3つの原酒をバランスよくブレンドしたため、トリプルカスクと名付けられました。

見た目はシャリ―カスクより濃く、バニラに加えてレモンの皮やメロンのような香りや、少し香ばしいオークの味とナツメグのバランスのよさ、スパイスの心地よい余韻を持った1本です。

ザ・マッカラン レアカスク

30年以上長期熟成させた原酒を含む、厳選した16種類の希少なシェリー樽原酒を使用していることから、レアカスクとネーミングされた1本です。

マホガニー色が濃く、レーズン、チョコレートといった甘い香りと、上品で深い味わいを持った長い余韻も楽しめるウイスキーです。

ザ・マッカランの楽しみ方

 

ウイスキーの楽しみ方は千差万別ですので、水割りにしようがオンザロックにしようが、飲む本人が美味しいと思う飲み方が一番です。

水割りの良さは大抵の料理に合うことですし、オンザロックの良さは冷たくすることで喉ごしをよくすることです。

ブレンデッド・ウイスキーならそういった飲み方でもよいですが、せっかくシングルモルトを飲むのであれば、シングルモルトなりの飲み方をしてみるのも悪くありません。

 

ザ・マッカランは全般的に飲みやすく、あまり癖のないシングルモルトとして知られています。

スコッチウイスキーの中でも飲みやすいハイランド地方の、その中でもさらに飲みやすいスペイサイドのシングルモルトですので、世界中で愛されるのもわかります。

イギリスの有名な老舗百貨店であるハロッズが発行した「Harrods Book of Whiskies」という本の中では、「シングルモルトのロールスロイス」と評されていましたが、これは長い歴史の中で貫いてきたウイスキー作りの信念と、全工程に対するこだわりが評価されたものです。

 

私がバーテンダーだった頃、シングルモルト初心者だというお客にまず最初に勧めたのが、グレンリベット、グレンフィディック、そしてザ・マッカランでした。

シングルモルトでも飲みやすく、これからスコッチウイスキーを知りたいという人にはうってつけというのが理由です。

 

できれば水割り、オンザロック、そしてストレートの3つを並べて飲み比べてみると、味や香りの違いが分かります。

水割りは文字通り水で割るため、アルコール度数が1/3から1/4になります。

つまり10度くらいになるため、とても飲みやすくなります。

オンザロックは冷やすだけですので、度数は氷が溶けなければ変わりません。

 

しかしこの2つの飲み方では、香りを楽しむことが難しくなります。

香りは温度によって立ち上がり方が変わりますので、同じウイスキーであっても温度が違えば感じる香りは違います。

ザ・マッカランのように甘い香りやスモークの香りが特徴のウイスキーは、できれば香りを味わい、口の中にゆっくりと含み、鼻から抜ける香りと、飲んだ後の喉にまで残る余韻を楽しんでもらいたいものです。

 

40度以上もあるウイスキーを、最初からストレートで飲めとは言いません。

水割りから始めて、徐々に味わいを覚えていくのも楽しいですし、目の前に3つのグラスを並べて違いを感じながら飲むのもまた一興です。

 

飲みながらボトルを眺め、その向こうにあるスペイサイドに思いを馳せてみる、そんなひとときもきっと楽しい時間になるはずです。

 

まとめ

 

ザ・マッカランのボトルをよく見ると、「The MACALLAN」の文字の上に、建物の絵が描かれているのが分かります。

これは1700年に建てられたイースターエルキーハウスという建物ですが、荒れ果てて取り壊すはずだったのを修復し、1977年にはマッカランのレセプション・センターに生まれ変わりました。

ボトルに描くほどザ・マッカランの象徴となっている建物で、どれだけ地域や取り巻く環境を大事にしているかが分かるエピソードです。

 

1824年に創業したザ・マッカランは、所有者を変えながらも戦争や禁酒法、経済的な危機を乗り越え、今もなおこだわり抜いたウイスキー作りを続けています。

2018年には新蒸留所も完成し、そこで作られたザ・マッカランは、12年後の2030年以降に飲むことができるようになるはずです。

その際は、是非飲み比べをしてみたいものです。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事