ポートエレン蒸留所が再稼動するというニュースが飛び込んできましたね!
閉鎖から36年、アイラ島でモルトを作るだけの施設になっていたのですが、また蒸留所として稼動できるようになるのはアイラモルトファンにはたまらないですね。
この記事では
- ポートエレン復活について
- ポートエレン蒸留所閉鎖の理由
- ポートエレン蒸留所再稼動の真相
- ポートエレンの味や価格
- ポートエレンがブレンドされているウイスキー
についてお伝えしていきますよ!
それでは、まずはポートエレンが復活するってホント?というお話からです。
ポートエレン復活?
1983年に閉鎖されたアイラ島のポートエレン蒸留所が再稼動することが発表されました。
まだ法的な手続きや承諾が得られていないことや、蒸留所稼動に向けての施工や試運転などを経てからの再稼動となるため、本格的な再稼動は2021年を目途に考えられているようです。
ポートエレン蒸留所には閉鎖される前に仕込まれた原酒があったので、閉鎖されてからも「ポートエレン」の名前で何回かボトルがリリースされましたが少数生産の上、高額だったのでなかなか手に入るものではありませんでした。
今回、蒸留所復活となれば、ポートエレン蒸留所は小さいながらも質の良いウイスキーを造ることで有名だったので、アイラモルトファンにはうれしいニュースですね!
安定供給されるようになるまでには熟成年数がかかる分、まだずっと先の話にはなりますが、またおいしいウイスキーを造ってくれるに違いありません!
ポートエレン蒸留所は1825年から100年以上もウイスキーを造っていて、その華やかでピーティーなシングルモルトはとても評判も良かったのです。
そんなポートエレン蒸留所は何故、閉鎖されてしまったのでしょうか?
閉鎖の理由
ポートエレン蒸留所が閉鎖されたのは1980年代にウイスキー人気が低迷したことが原因です。
それまでも一度、閉鎖に追い込まれ、再稼動したものの長くは続かず二度めの閉鎖をしています。
閉鎖後は他の蒸留所で使用する麦芽を造るためのモルティング施設だけが稼動していました。
当時はカクテルなどが流行り、カクテルに向かないアイラモルトのようなクセの強いウイスキーは売れなかったのです。
もちろん根強いファンはいるのですが、蒸留所というのはだいたい大きな会社が所有しており、儲からない部門は切り捨てられて儲かるお酒を造って売ろうとするのですね。
そのためにポートエレン蒸留所は閉鎖され、モルティングのみの施設になってしまったのです。
そんなポートエレン蒸留所が今になって何故また再稼動することになったのでしょうか。
ポートエレン蒸留所再稼働の真相
ポートエレン蒸留所はもともと人気のあるシングルモルトを造る力のある蒸留所でした。
今でも閉鎖前に仕込まれた原酒を使い、シングルモルトがリリースされると非常に高値であるにもかかわらず、すぐに売り切れてしまうのです。
それに、アイラ島は今や「ウイスキーの聖地」と呼ばれるほどの人気を誇り、蒸留所を巡るツアーまで組まれるほど、ウイスキーファンにとっては一度は行ってみたい場所になっています。
そんなアイラ島にある蒸留所をモルティング施設としてだけの場所にしておくのはもったいないですよね。
会社は利益を追求するところ、アイラ島の蒸留所ツアーが人気な今、ポートエレン蒸留所を復活させれば儲かること間違いなし!
それに「幻のウイスキー」と呼ばれるまでになった「ポートエレン」の名のつくウイスキーをたくさん造ることができれば、会社としても儲かるわけですね。
そういうわけで、今回のポートエレン蒸留所復活!となったわけです。
それでは「幻のウイスキー」ポートエレンとはどんな味がするのでしょうか?
ポートエレンの味と価格
ポートエレンと名の付くボトルは蒸留所が閉鎖されてからもいろいろな会社からリリースされました。
会社が違うということはブレンダーも違うということですので当然、味が変わるわけです。
それに、リリースされた年代によって熟成年数も変わり、価格も味わいも違ってきます。
最近では2019年4月にディアジオ社からオフィシャルの「ポートエレン39年」が世界限定1,500本でリリースされました。
今回はそのポートエレン39年のご紹介を中心にしていきましょう。
まずはお味から。
味は?
アイラモルトらしくスモーキーでピーティー、熟成年数が長い原酒なので複雑な甘みやオイリーさをまとった味わいで、潮気も感じられるということです。
アイラモルトファンからはアイラとしては中庸という言葉も聞かれるようですが、熟成年数が比較的若いモルトを普段から飲んでいる人からすると、年数が経った分、ピートの強さが弱まるので、物足りないということではないかと思います。
39年もの時を経た原酒は、普段私たちが飲んでいるウイスキーには出せない複雑さを醸し出します。
お値段からして一生、自分の口に入ることはないと確信していますが、この超プレミアムなウイスキーは一度だけでも飲んでみたいですね。
気になるお値段はというと・・・
価格は?
100万以上します。
いや、もうこれくらいあっさりと言うしかないくらい高いのでどうしようもないですね。
宝くじに当たったら買う、くらいの夢のような話ですから。
どちらにしても手が出ないお値段になりますが、オフィシャルのポートエレン35年で30万円ほど、ダグラスレイン社からリリースされた35年もので35万ほどします。
同じ35年でもレビューを見る限り、味わいが全く違います。
オフィシャルの方はスモーキーながらもフルーティーなほどの甘みを強調していますが、ダグラスレイン社の方はスモーキーさと口をすぼめるくらいのソルティーさを強調しています。
そんな私たちがポートエレンを飲みたい!少しでも感じたい!と思うならば、ここはポートエレンを使っているブレンデッドウイスキーに目をつけるしかないですね。
ポートエレンが入っているウイスキー
実は、ポートエレンを原酒のひとつに使っているウイスキーは比較的手に取りやすい価格で売られているのです。
まずは「ビッグピート」、これは見たことのある方も多いのではないでしょうか。
けっこうインパクトのあるボトルデザインです。
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このボトルはダグラスレイン社からリリースされているのですが、他にもいろんなバージョンがあります。
写真のボトルはいちばんオーソドックスなタイプで、ポートエレンの他に、カリラ、アードベック、ボウモアというかなりゴージャスなアイラモルトがヴァッティングされたボトルになっています。
アルコール度数は46度、700mlで5,500円ほどと比較的お求め安い値段ですが、このそうそうたるアイラのメンバーの中でポートエレンを探し出すことができるかどうかが問題です。
なんとなく言われなくても想像がつくわ!と思われそうですが、臭いです。
正露丸マニアにしか飲めないであろうお味になっておりますので、ご注意を。
このボトルの強烈なキャラのおじさんは「ピートおじさん」と呼ばれていて、クリスマスになるとサンタの格好になりますし、京都エディションでは祭の山車の前で浴衣姿にもなっていますし、RAF(英国王立空軍)エディションではRAFの制服を着て戦闘機の前に立っています。(この顔のままでやで!)
コレクションしたい・・・
「こんなの飲めない」と思ったあなたに朗報、実は身近なウイスキーにもポートエレンはブレンドされているのです。
ジョニーウォーカーにポートエレンが?
そう、「ジョニーウォーカーブルーラベル」です!
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ジョニーウォーカーの中では最高級ラインで、お値段もちょっとお高いですが、手に入りやすいのと飲みやすいのでおすすめではあります。
アルコール度数40度、750mlで13,000円くらいでしょうか。
選び抜かれた希少なモルトを使った少しピートの効いた芳醇で重厚な味わいです。
はちみつのような甘い香りとピートの香りが合わさって絶妙な香りをもたらし、「究極のブレンドスコッチ」と言われています。
余韻も長く楽しめるおいしいウイスキーに仕上がっています。
高級ウイスキーではありますが、まだ手が出せる範囲なので、興味のある方はお試しくださいね。
それでは、そろそろまとめに入りましょう。
まとめ
ポートエレンの再稼動は大変うれしいことですが、私たちの手の届くモルトが飲めるようになるまでには、長い年月を待つ必要がありますね。
でも楽しみに待ちましょう。
それではまとめますよ。
- ポートエレン蒸留所はアイラ島にある
- ポートエレン蒸留所は閉鎖されていたが、2021年を目途に再稼動する予定である
- ポートエレンはその希少さから「幻のウイスキー」と呼ばれている
- ポートエレンは他のウイスキーの原酒としても使われている
こんなところでしょうか。
とにかくこれからが楽しみなポートエレン復活のニュース、どんなウイスキーを造ってくれるのか、ワクワクしますね!
アイラモルトが苦手なみなさん、ピートは恐くなーい!
飲めば慣れてきますよ!ポートエレンがおいしいモルトをリリースする頃には慣れてるはずです!アイラモルトでなくてもスコッチならたいてい少しはピート香はするものです。
少しずつ慣れていきましょうね。
それではみなさま、ごきげんよう!!