熟成樽の種類と特徴②木材編

ウイスキー樽は時に材料となる木材によって呼称されることもあり、材料によってウイスキーに影響する風味に違いが生まれます

樽木材は、主に下記の3つの分類に分けられます。

  • アメリカンオーク樽
  • ヨーロピアンオーク樽
  • ミズナラ樽

それぞれをご紹介してきます。

 

アメリカンオーク樽

アメリカンオーク樽は主に北米に自生するホワイトオークを材料に作った樽のことです。

バニラの果実に含まれるバニリンと呼ばれる香気成分が強いので、熟成に使用するとバニラの風味が強くなります。

バーボン樽は基本的にアメリカンオークを使用して製造されるので、バニラの風味が特徴となるのです。

また、樽から抽出される成分とアルコールによる化学反応からリンゴや洋梨のような果実の香りが生まれることもあります。

アメリカンオーク樽は新樽の状態でもバーボンウイスキーの熟成樽として使用可能で、一度熟成に使った樽はバーボン樽として他のウイスキーの熟成に効率よく利用されています

ヨーロピアンオーク樽

ヨーロピアンオーク樽はヨーロッパの全域に生息しているオークです。

タンニンの含有量が多く、ドライフルーツの風味やスパイシーな香りをウイスキーに与えます。

オーク樽は新樽をウイスキーの熟成に使用することは基本的に無く、シェリー酒などの熟成に一度使った樽を再利用することでヨーロピアンオークが影響を出す風味を抑えています。

ミズナラ樽

ミズナラ樽はジャパニーズオーク樽とも呼ばれる日本固有のオークを材料にした樽のことです。

オリエンタルな香りが特徴のミズナラは、ウイスキーの熟成に使用すると伽羅や白檀の芳香な香りが付きます。

基本的にジャパニーズウイスキーの熟成に使用され、ミズナラ樽で熟成させたウイスキーは特徴的でありながら完成度の高いウイスキーが多いため世界中で高評価を受けています

ミズナラ樽はウイスキーの熟成に使用できるまでの製造過程が非常に手間がかかるものとなっているので、希少性が高くミズナラ樽で熟成させたウイスキーの原酒不足も発生しています。

 

また、ウイスキー樽の大きさでも熟成度合が異なり

小さいウイスキー樽の場合は熟成が早く進みやすく、木材の香りが付与されやすくなります。

一方で、大きいウイスキー樽は木材の香りが付与されにくく長期熟成に向いています。

 


ここまで、ウイスキー樽の種類と特徴をご紹介してまいりましたが

ウイスキーを原酒からさまざまな風味に変化させているのは、樽の力が非常に大きいという事を感じて頂けたでしょうか

ここでもご紹介した様に従来、熟成樽の木材として楢が一般的ですが、日本では和製のウイスキー製造に向け新しい取り組みとして

桜、杉、橅(ブナ)、林檎(リンゴ)、胡桃(クルミ)など、日本の森に生息する木材を使った熟成酒の製造に挑戦している蒸留所もあり、桜や杉が薫る熟成酒も生まれています。

ウイスキーには樽で味わいが決まり、それぞれ個性を持ち奥深さがありウイスキーを嗜む際は、愉しみ方を広げるのに是非樽の種類やサイズ等もチェックしてみてください。

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