ウイスキーの味わいは熟成樽によって味わい・香りが大きく変化します。
そして、同じ木材の樽でもその個々の樽で全く別の個性が生まれます。
その樽でしか味わえない一期一会の魅力です。
熟成過程で樽が持つ本来の味わいや香りがウイスキーに移り、色も無色透明から琥珀色に変化します。
熟成にかけた年数によってもウイスキーの味わいは変化していくのでウイスキーの熟成は非常に奥深いものです。
今回は、主なウイスキー樽の種類と特徴をご紹介致します。
ウイスキー樽の種類
・シェリー樽
シェリー樽はスペインの伝統的な酒精強化ワインであるシェリー酒を熟成させた樽を再利用したものです。
ウイスキー熟成の原点とも呼べる樽であり、現在まで続くウイスキーの熟成はこのシェリー樽が基になります。
シェリー樽で熟成させたウイスキーは果実のような甘い味わいが特徴で、甘く飲みやすいウイスキーへと仕上がります
シェリー樽にも5つの種類(オロロソ樽・PX樽・フィノ樽・アモンティリチャード樽・モスカテル樽)があり元となるシェリー酒の種類によりここでも大きく味わいが変化します
・バーボン樽
バーボン樽はアメリカのバーボンウイスキーを熟成させた樽です。
バーボンウイスキーシェリー樽よりも入手しやすいことから現在のウイスキー熟成でスタンダードなものになっています。
バーボン樽で熟成させたウイスキーはバニラ、カラメルの甘い風味と香りをもち、クリーミーな味わいに仕上がります。
・ワイン樽
ワイン樽もウイスキーの熟成に使用されることがあり、シェリー樽と同様に熟成に使用した樽を再利用します。
ワイン樽という括りで分類するのが一般的であり、主に3種類(ポート樽・マデイラ樽・マルサラ樽)があり香りや味はワインの種類で大きく変化します。
また、熟成期間が短くてもまろやかな味わいに仕上げる事が出来る為、短期間での原酒の製造や、仕上げのウッドフィニッシュにも利用されます。
・ビール樽
ビール樽で熟成させたウイスキーもあります。ウイスキーとビールは同じ麦を原料のお酒であるため、馴染みやすく相性が良く
香ばしい麦の香りやビターな風味が生まれます。
最近では、クラフトビールのホップをふんだんに使用したビール種IPA樽で熟成されたウイスキーもあり、種類が増えるクラフトビールでこれから更に個性的な樽も出てくる事が期待出来ます。
個人的にはヘイジ―IPAなどフルーティーで苦みのあるビール樽・フルーツサワーのビール樽で熟成されたウイスキー等誕生する事を楽しみにしています。
・ラム樽
ラム樽はラム酒を熟成させた樽のことであり、ラム酒はサトウキビを原料にしたお酒です。
カラメルを焦がしたような苦味と甘みとトロピカルフルーツの甘い香りが生まれます。
・ブランデー樽
ブランデーは果実酒を蒸留させて熟成させたお酒であり、近年ではウイスキーでも需要が高まっている樽です。
完熟したレーズンの味わいとスパイスの効いたウッディな香りなど濃厚な風味が生まれます。
最近良く見かけるコニャック樽もこのブランデー樽の種類の1つです
元々熟成されているお酒で、それぞれ甘味・香り・色合い等様々な個性が生まれます。世界には樽熟成されたテキーラや沖縄の古酒など他にも無限の可能性があり、今後多種多様の味わいが誕生するかもしれません
今回は、ウイスキー樽についてご紹介しました、次回は樽の木材種についての特徴をご紹介したいと思いますのでよろしくお願いいたします