『カスクストレングス』って何?
「カスク=cask」とは「ウイスキーを熟成させる木製の樽」のこと。
「ストレングス=strength」とは「アルコールの強さ」を意味します。
つまりカスクストレングス・ウイスキーとは、
『樽の中と同じアルコール度数でボトリングされたウイスキー』の事です!
❝至高のウイスキー❞とも呼ばれるカスクストレングス・ウイスキーは、貴重な存在ながら世界中の特にディープなウイスキー愛好家に飲まれています。
どうしてカスクストレングスは貴重なの?
一般的なウイスキーは、「飲みやすくするため」や「アルコール度数を均一化し商品として安定供給するため」を目的として、瓶詰めされる前に加水をしてアルコール度数を下げて調整しています。
一方、カスクストレングスの場合はこうした加水調整を行わず、樽に入っていた原酒そのままのアルコール度数でボトリングし、出荷されます。
当然、加水分のかさ増しがない為、供給できる量が少なくなるのです。
ちなみに・・・
カスクストレングスと共に登場する事の多い言葉に「シングルカスク=Single cask」があります。シングルカスク・ウイスキーとは『単一の樽のみからボトリングされたウイスキー』を指します。
もしもウイスキーのラベルに「シングルカスク」と「カスクストレングス」
が併記されていた場合は、
『単一の樽から、そのままのアルコール度数でボトリングされたウイスキー』を指します!
カスクストレングスのウイスキーってどんな味わい?
樽の中で熟成のピークを迎えたウイスキー原酒を、そのまま瓶詰めしたカスクストレングス・ウイスキー。最大の魅力は、香りと味わいの成分が普通のウイスキーに比べて段違いに多く含まれている点です。加水調整が行われていないため、ウイスキーの凝縮された香りや風味をダイレクトに楽しむ事ができます。
もう一つの魅力は最大60%近くにもなる、そのアルコール度数です。
高アルコール(ハイプルーフとも呼びます)ならではのパワフルな刺激は一般的なウイスキーではどうしても味わう事ができません。
「そんなに強いお酒、まさかストレートで飲まなきゃいけないの!?」そんな疑問が湧きますよね。
もちろん、ストレートで楽しむ方法もありますが、ウイスキーは飲む直前に加水をすることで内在している香りや味が外に広がる性質をもっています。
なので、
・数滴ずつ加水して変化を楽しむ
・ロックや水割り、トゥワイスアップなど...
どんな飲み方でもOK!ぜひ、自分が最も美味しいと感じる飲み方を発見してみて下さい。
カスクストレングスはこんな人におすすめ!
❝至高のウイスキー❞とも呼ばれるカスクストレングス・ウイスキーは次のような方におすすめできます。
・普通のウイスキーは飲み飽きた!
・樽の中そのままのウイスキーを味わいたい!
・ガツンとくる一杯に出会いたい!
・マニア向けのウイスキーを飲んでみたい!
さぁ、カスクストレングス・ウイスキーの扉を開けてみましょう!
これなら手に入る!美味しいカスクストレングス・ウイスキー3選
メーカーズマーク カスクストレングス
1959年に誕生したメーカーズマークは「ウイスキーは最高の原料を使って人の手で少量生産する」という創業以来のポリシーを守り続ける、クラフト・バーボンウイスキーのブランドです。
蒸留所はバーボンウイスキーの聖地ケンタッキー州のなかで最も小さく、由緒ある蒸留所としてアメリカの国定史跡に指定されています。
ハンドメイドの証でもある象徴的な赤い封蝋はすべて手作業で仕上げるため、ふたつとして同じものはありません。
『メーカーズマーク カスクストレングス』は、メーカーズマークの中でもさらにわずかな量だけ生産されるプレミアム・クラフトバーボンです。
アルコール度数は54%〜55%程度で、出荷ごとに異なります。
味わい
一般的なバーボンで使用するライ麦の代わりに、メーカーズマークでは小麦を使用します。
木樽を想わせるウッディ感、キャラメルのような甘い香り。
特有のスイート&スムーズな味わいと、深い余韻。
通常のメーカーズマークよりもしっかりした骨格と甘みがあり、ウイスキー本来の味わいが体感できます。
バーボンウイスキーファンの方にはぜひ一度味わっていただきたい、格別な味わいです。
*生産国:アメリカ・ケンタッキー州
*原料:トウモロコシ、小麦
*ウイスキー分類:ブレンデッドウイスキー
*アルコール度数:54~55%程度
*価格帯:6600円程度
グレンファークラス105 カスクストレングス
1836年に創業したグレンファークラス蒸留所は、スコットランドで最も多くのウイスキー蒸留所が集まるエリア・スペイサイドを代表する人気の蒸留所です。
家族経営の蒸留所としても知られ、最大の特徴は、「全てのウイスキーをシェリー樽で熟成させる」こと。シェリー樽由来のベリー系の香りが多くのウイスキー愛好家に支持されています。
『グレンファークラス 105』は業界初のカスクストレングスウイスキーとしてリリースされ、今なお世界中のウイスキーファンに愛され続ける看板商品です。
105とは「105プルーフ」という意味。プルーフとはアルコール度数の表示単位のことで、英国式アルコール表記の場合、105プルーフは約60%となります。
実は「グレンファークラス105」は、厳密に言うとカスクストレングスではなく、ほんの少し加水をすることで、アルコール度数を60度に調整しているようです。
コストパフォーマンスに優れるグレンファークラス105は カスクストレングス・ウイスキーの入門編としても最適な一本です!
味わい
ファーストフィルシェリー樽で8〜10年熟成の原酒が使用され、
フルーティーさと、力強く芳醇なコク、バランスのとれた余韻が特徴。
まさにシェリー樽の味わいとカスクストレングスの特徴がしっかりと現れたウイスキーに仕上がっています。
そのままの魅力を味わえるストレートやロックはもちろんおすすめ。
ハイボールにしても味わいは衰えることなく、パワフルかつ華やかな味わいを堪能できます。
*生産国:スコットランド
*原料:モルト
*ウイスキー分類:シングルモルトウイスキー
*アルコール度数:60%
*価格帯:7000円程度
ニッカ フロム・ザ・バレル
1934年に北海道余市町で創業したニッカウィスキーは、日本が世界に誇るウイスキーメーカーです。
創業者はNHKの連続テレビ小説「マッサン」でも有名な竹鶴政孝氏。
近年はシングルモルトウイスキーの「余市」や「宮城峡」の素晴らしい味わいが世界的な評価を獲得しています。
『ニッカ フロム・ザ・バレル』は、数年間の熟成を経たモルト原酒とグレーン原酒をブレンドし、さらにもう一度樽詰めして、数ヶ月の間再び熟成します。
「マリッジ」と呼ばれるこの製法により、個性の異なるそれぞれのウイスキー原酒が結婚したかのように馴染み合い、調和の取れた深い味わいが生まれます。
実は『ニッカ フロム・ザ・バレル』は厳密に言うと「カスクストレングス」ではなく、
わずかな加水をすることで、アルコール度数と味わいを調整しているようです。
味わい
キャラメルやチョコレートを想わせる甘く奥深い香り。
マリッジ製法を施すことで、モルト原酒とグレーン原酒それぞれの長所が完璧なハーモニーを奏でます。
カスクストレングスらしい芳醇で力強い味わいの後に、心地よい余韻が残ります。
近年では、その人気の高さから価格が高騰しやや入手困難となっているようなので、注文はお早めに!
*生産国:日本
*原料:モルト、グレーン
*ウイスキー分類:ブレンデッドウイスキー
*アルコール度数:51%
*価格帯:4500円程度
まとめ
・カスクストレングス・ウイスキーとは、『樽の中と同じアルコール度数でボトリングされたウイスキー』の事!
・カスクストレングスは加水されずに出荷されるため、供給量が少なく貴重なウイスキー!
・最大の魅力は、香りと味わいの成分が多く含まれている点と、高いアルコール度数のパワフルな味わい!
・ストレートはもちろんロックや水割り、トゥワイスアップ等どんな飲み方でもOK!
オススメのカスクストレングス・ウイスキー 3選
・メーカーズマーク カスクストレングス
・グレンファークラス105 カスクストレングス
・ニッカ フロム・ザ・バレル
この記事が皆様の楽しいウイスキーライフのお役に立てば幸いです。
それではまた、お会いしましょう!