今回は、世界5大ウイスキーの1つにも数えられる「カナディアンウイスキー」について!
日本では、スコッチやジャパニーズ、バーボンなどに比べるとマニアックな部類に入りますが、実はコスパがよくて飲みやすい銘柄も多いので、初心者さんにもおすすめです。
ということで、今回は、
- カナディアンウイスキーの定義や特徴
- カナディアンウイスキーの種類について
- カナディアンウイスキーの飲み方
- カナディアンウイスキーのおすすめの銘柄
などなどについて、ガッツリまとめていきます!
どうぞ、最後までお付き合いください。
それではまず、カナディアンウイスキーって何?ということから始めます!
カナディアンウイスキーとは?
世界5大ウイスキーのひとつに数えられるカナダで造られたウイスキーのことです。
すべての地域のウイスキーがそうですが、「カナディアンウイスキー」と呼ぶには法律で条件が定められています。
カナディアンウイスキーの場合は
- 原料がトウモロコシやライ麦などの穀物であること
- カナダ国内で蒸留されていること
- 麦芽の持つデンプン分解酵素によって糖化した後に酵母で発酵させること
- 熟成は180リットル以下の樽で3年以上カナダで行うこと
が条件とされています。
それでは「カナディアンウイスキー」とはどういうウイスキーかというと・・・
カナディアンウイスキーの特徴
スコッチやジャパニーズウイスキー、バーボンを飲み慣れている人にとっては、正直なところ「薄い!香りがない!特徴がない!」といったところでしょう。
アイリッシュもそうですが、アイリッシュよりも薄くて味に特徴がありません。
カナディアンウイスキーはだいたい、ソーダやジンジャーエール、セブンアップで割って飲むというのがポピュラーな飲み方と言われています。
カクテルベースに使うにはちょうどいいかな、くらいの感じです。
しかし!アイリッシュ同様、カナディアンもハンドクラフトでいろんな試みをするマイスターが出てきているようですので今後を見守っていきましょう。
カナディアンウイスキーには種類が2種類あって、通常はその2種類をブレンドしたものが多いのですが、その説明を致しましょう。
カナディアンウイスキーの種類
カナディアンウイスキーには
- フレーバリングウイスキー
- ベースウイスキー
という2種類のウイスキーがあります。
フレーバリングウイスキーというのは、麦類(ライ麦、小麦、大麦など)を主原料にして連続蒸留機で蒸留したもので香りなどの個性が強く出やすいウイスキーなので、ライ麦を51%以上使っていればこれだけで「ライウイスキー」と呼べるのです。
ベースウイスキーというのは、トウモロコシを原料とした蒸留酒のことで、個性をあまり持たないウイスキーなので、単体で使われることはほとんどなく、フレーバリングウイスキーとブレンドして使われます。
この2種類のウイスキーを別々に造って3年以上熟成させ、ボトリングする時にブレンドするという製法が一般的です。
ということは、「ライウイスキー」と「ブレンデッドウイスキー」が主流ということですね。
カナディアンウイスキーはカクテルベースに向いていると先ほど述べましたが、それは個性が強くないので他の素材のじゃまをしないからです。
それでは、カナディアンウイスキーを飲む時、その個性を引き出す方法が欲しいでしょう?
そこで、こういうのもひとつの方法である、というご紹介です。
ハイボールもおすすめ!
そう、みんな大好き、ハイボールですね。
炭酸の蒸発と共に香りが立ち上るので、そのまま飲むより香りが楽しめるというわけです。
ただ、味は余計に薄まってしまうこともあるので、銘柄は選ばなければいけません。
ハイボールにすると味がなくなってしまうようなら避けた方が良し、中には加水で味が変わらないものもありますので、いろいろ楽しんでみると良いのではないでしょうか。
味が薄まってしまうようなら、ソーダではなく、ジンジャーエールなどで割る方が良いでしょう。
それでは、カナディアンウイスキーのおすすめの銘柄のご紹介をしていきたいと思います。
カナディアンウイスキーおすすめ銘柄10選!
カナディアンウイスキーは歴史の古いものから、新しいものまでいろいろあります。
その中から定番から個性的なものまで興味を引かれる銘柄を集めてみました。
それではまずはこれぞ、ド定番!という誰でも名前だけは知ってる!というこのボトルからご紹介致しましょう。
カナディアンクラブ
日本ではいちばん有名な銘柄といっていいでしょう。
一言に「カナディアンクラブ」といってもご紹介しきれないほどの種類があります。
とりあえず、現在手に入りやすいものだけのご紹介とさせていただきます。
私はカナディアンクラブのレギュラーボトルは12年ものだと思っていたのですが、今はノンエイジが出ているらしく、アルコール度数40度、700mlで1000円程度で手に入るようです。
軽く、華やかな味わいのライトタイプのボトルなので初心者の方にはいいかもしれません。
そして、写真にも映っていますが、「ブラックラベル」、こちらもアルコール度数40度、700mlで3700円前後です。
お値段が高いだけあって、8年熟成の豊かな香りとコクのあるなめらかなボトルになっているようです。
そして「クラシック12年」、750mlで1800円前後くらいだそうです。
芳醇な風味に、深い味わいが楽しめるボトルになっています。
それからこちらは少し希少なものでしょう、「20年」もあるようです。
長熟の年月を経たウイスキーの持つ柔和さ、コクに気品を感じられるボトルになっているようです。
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次も日本でもメジャーなボトルで、だいたいどこのバーに行ってもカナディアンクラブとこのボトルはある、というカナディアンウイスキーです。
クラウンローヤル
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クラウンローヤルは1939年にイギリスの国王夫妻がカナダを訪問した時にシーグラム社が国王夫妻に献上したのをきっかけに、同社の接待用に少数生産されていたボトルでしたが、今ではカナダを代表するウイスキーとして世界中に輸出されるようになりました。
アルコール度数40度、750mlで2000円前後で手に入るようです。
樽の熟成香がとても豊かなボトルになっています。
「スペシャルリザーブ」と呼ばれる12年ものもあって、こちらもアルコール度数40度、750mlで4000円ほどで手に入るようです。
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こちらは厳選された樽の中から12年熟成されたもので、より芳醇な香りを醸し出すプレミアムなボトルになっています。
シーグラムVO
シーグラムVOはシーグラム社のメイン商品になっているボトルで1912年から販売されています。
アルコール度数40度、750mlで2000円前後で手に入るようです。
ボトルネックのリボンは同社が所有していたサラブレッドに騎乗するジョッキーのレース騎乗時の服の色だそうです。
シーグラムはセブンクラウンという銘柄もあるのですが、こちらはアメリカンウイスキーの分類になっていて、セブンクラウンをセブンアップで割ったものは「7&7(セブンアンドセブン)」と呼ばれています。
現在、VOの原酒はカナダの国内の6つの工場でコーンとライ麦を原料として造られています。
その原酒を熟成したものをブレンダーたちがブレンドしてVOとなります。
ライトでスムースな香味が特徴のウイスキーになっています。
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次はライウイスキーをご紹介しましょう。
アルバータ
写真はレギュラー商品のアルバータプレミアムです。
アルコール度数40度、750mlで2000円前後で手に入るようです。
アルバータ州の良質なライ麦で造られた5年もののウイスキーでライ麦由来のコクを抑えたライトタイプのウイスキーに仕上がっています。
他にも、「アルバータライ・ダークバッチ」という商品もあり、こちらはバーボンとシェリー酒が加えられていて、芳醇な香味とドライフルーツやバニラの甘みのある味わいが特徴になっています。
アルコール度数は45度、750mlで3000円前後で手に入るようです。
「アルバータ・スプリングス」は10年熟成の高級品で、チャコールフィルター処理で原酒をマイルドにした上にさらに長期熟成によって、ライウイスキーのコクをさわやかな丸みのある味わいにしたソフトなウイスキーに仕上がっています。
アルコール度数は40度、750mlで2,000円台で手に入るようです。
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次は今後が楽しみなカナディアンを変えていくであろう蒸留所が造るボトルのご紹介です。
LOT No.40
ロット40は単式銅釜で蒸留されたハンドメイドのボトルのため、大量生産ができません。
少数生産ながらクラフトマンシップを感じさせるライウイスキーで、数々の賞を受賞しました。
アルコール度数43度、750mlで2000円前後で手に入るようです。
ハイラム・ウォーカー蒸留所の優れたマイスターの手で造られたライ麦特有の香りのするしっかりとした味わいのウイスキーに仕上がっています。
次は最近カナダで流行りのメープルウッドを使う製法を考え出した注目の蒸留所が作るウイスキーのご紹介です。
コリンウッド
コリンウッドはホワイトオーク樽で熟成させた後、樽の内側を赤外線で焙った「メープルウッド」でトウモロコシとライ麦で作った原酒を後熟させるという製法で造られためずらしいウイスキー。
アルコール度数40度、750mlで3000円前後で手に入るようです。
メープルシロップのような優しく甘い香味が特徴のウイスキー。
最近、カナダではメープルウッドで熟成させたウイスキーを造るメーカーが増えてきていますが、コリンウッドがその筆頭なのです。
ボトルも普通のボトルもあるのですが、今回の写真は分かりにくいかなぁ。
この写真しか見当たらなくて・・・男性用の香水の瓶のような形をしているんですよ。
今までと違う製法を考えだした上に、ボトルの形まで今までなかったものを考え出してしまうそのアイデアはこれからのカナディアンウイスキーを変えていく素質をものすごく感じます。
実際にアメリカの市場でマーケットを拡大中の話題作になっています。
次もちょっとおもしろいアイデアで人気のウイスキーですよ!
レゼルヴ・デ・MFM
どうですか!珍しいでしょう!レゼルヴ・デ・MFMは初めからスキットルに入っているのです。
中身はグレーンとモルトのブレンデッドだし、メキシコで詰め替えられているのでメキシコ産と思ってしまうのですが、中身はれっきとしたカナディアンウイスキーなのです。
アルコール度数40度、200mlで2000円前後です。
実はこのウイスキー、1750mlで6000円前後でも売っていて、ちゃんとスキットル型の容器に入っています。
・・・ポケットに入らんやろ!
味はすっきりライトなカナディアンウイスキーらしい味わいです。
飲み終わった後、ちゃんとスキットルとして使えるので、それを目当てに買う人が多いようです。
余談ですが、このシリーズ、ウォッカとテキーラのバージョンもあってそれぞれ色が違うのですよー!
コレクター心をくすぐりますねー。
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さて、次はちょっと変わったウイスキーですよー。
R&R
何が変わっているのかというと、R&Rには「香料」が入っているのですよ。
原材料を見てもちゃんとモルト、グレーン、香料と書いてあります。
いる?ウイスキーに香料いる???
普通はウイスキーの香りって樽で付けるじゃないですかー、シェリー樽使ったりバーボン樽使ったり。
でもこのウイスキーはそんなことしない、香りなんか香料でつけてしまえばいい!ある意味潔い。
アルコール度数40度、750mlで1000円前後で手に入るようです。
バターのような甘い香りがしてちょっとベトつきを感じるのですが、ほのかに苦味も感じます。
ストレートではちょっと飲みにくいですねー。
ロックでベトつきが消えて、ハイボールでかすかなスパイシーさとドライな味わいに変わります。
ハイボールがいいですね。
サゼラック社のウイスキーなのですが、日本ではイオンとやまやの合同出資によってコルドンヴェール社から輸入されています。
次は残念ながら終売してしまったウイスキー、高くなったけどまだ買えるようですよ。
キャプテンズテーブル
キャプテンズテーブルは「船長のウイスキー」という異名のあるウイスキーです。
その謂れは航海中に船がどんなに揺れても倒れないというデザインから来ています。
確かに安定感のある形ですねー。
アルコール度数40度、750mlで8500円前後くらいでしょうか。
カナディアンウイスキーにしては厚みのある味で、樽香がしっかり感じられます。
メープルや穀物の甘さも感じますし、ピートは使っていないはずですが苦味や香ばしさがちょっとスコッチを感じさせるような、バーボンに近いような・・・
値段は高めですがコレクションに加えてみたいボトルです。
次で最後、実はいちばんのおすすめだったりするリーズナブルなボトル。
フォーティークリークバレルセレクト
フォーティークリーク蒸留所はもともとはワインを造っていたオーナーのジョン・ホール氏がウイスキーを造りたくてウォッカを造っていた工場を買い取ってウイスキー造りを始めた蒸留所です。
しかし、ウイスキーは熟成に長い年月がかかるため、しばらくはワイン造りをしながらウイスキーを造っていたそうです。
そして、やっと念願のウイスキー造りに専念できる時が来て、ワインをやめたそうです。
そうまでしてできたこのウイスキーは、バニラの甘さと樽の香り、シェリーのような香りもして、喉越しもすっきりしていてキレもいい!
アルコール度数40度、750mlで1000円くらいで手に入ります。
リーズナブルなのに香りも甘さもあるこのウイスキーはリピーターも多いそうですよ。
さて、カナディアンウイスキーのおすすめ銘柄紹介はこれにて終了です。
まとめに入りましょうか。
まとめ
さて、まとめです。
- カナディアンウイスキーとは「原料が穀物であること、麦芽のデンプン分解酵素によって糖化した後に酵母で発酵させること、カナダ国内で蒸留、熟成させること、蒸留の際は180リットル以下の樽で3年以上熟成させること」の条件を満たしたウイスキーのことである。
- カナディアンウイスキーは個性的な味わいや香りが少なく、ほんのりと甘い香りで飲みやすいのが特徴である。
- カナディアンウイスキーには2種類の種類があり、フレーバリングウイスキーはライウイスキーとして単独でも使われるが、ベースウイスキーはトウモロコシを使用したブレンデッドウイスキーのための土台となるウイスキーなので単独では使わず、フレーバリングウイスキーとブレンドしてボトリングする。
- カナディアンウイスキーはそのままでは味が薄く、香りも優しいので、ソーダやジンジャーエールなどと割って飲むと香りも立っておいしい。
- 薄くて味気ないウイスキーと言われていたカナディアンウイスキーも近年は優秀なマイスターの手によっておいしいウイスキーが造られている。
こんなところでしょうか。
アイリッシュウイスキーもそうですが、カナディアンウイスキーもアメリカの禁酒法の影響を強く受けて衰退した時期がありました。
アイリッシュウイスキーは輸入が禁じられて衰退、カナディアンウイスキーはアメリカと隣接していたために闇でアメリカのギャングと取引きをして大富豪になったカナダ人もいましたが、禁酒法がなくなってからはアメリカでのウイスキー造りも始まり、いつの間にか衰退していきました。
しかし、アイリッシュウイスキーもカナディアンウイスキーもまた、復活の時代が来ています。
「薄くてまずい」の思い込みを捨てていろんなウイスキーにチャレンジしていきましょう。
きっとお気に入りのボトルが見つかりますよ。
この記事でそのお手伝いができたなら幸いです。
それではみなさま、ごきげんよう!!