日本を代表する高級ウイスキー「余市」。
余市は、北海道遺産や登録有形文化財の認定を受けている「余市蒸留所」で作られているシングルモルトウイスキーです。
希少価値の高いウイスキーとしても有名で、ネット上では高額で取引されるシーンも少なくありません。
この記事では、余市の歴史や種類、美味しい飲み方について解説していきます。
ウイスキー愛好家としては詳しく知っておいて損はない銘柄なので、「余市ってどんなウイスキー」「余市を飲んでみたい」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。
シングルモルトウイスキー「余市」とは?
シングルモルトウイスキー「余市」は、ニッカウヰスキーが製造して・アサヒビールが販売しているウイスキーです。
ジャパニーズウイスキーを代表する銘柄の1つで、販売が終了している種類はネット上では数十万円で取引されています。
原酒不足によりほとんどの種類が供給されておらず、現在アサヒビールから販売されいるのはノンエイジの「シングルモルト余市」のみです。
シングルモルトウイスキー「余市」の歴史を解説
「余市」は、1989年から販売されているシングルモルトウイスキーです。
シングルモルトウイスキーとは、1つの蒸留所で作られている原酒だけをブレンドしたウイスキーを指します。
余市はその名の通り「余市蒸留所」で作られているモルト原酒が使用されており、スモーキーで独特な香りが特徴です。
今ではウイスキーのイメージが強い余市蒸留所ですが、もともとは主にリンゴジュースを製造していました。
1936年からウイスキーの開発をはじめて、1940年には「ニッカウヰスキー」「ニッカブランデー」などのウイスキーを発売しています。
その後、さまざまなウイスキーを開発・発売していき、これまでのノウハウをすべて詰め込んだ「シングルモルト余市」が1989年に誕生しました。
2001年にウイスキーマガジンで「ベスト・オブ・ベスト」の最高得点を記録して、ジャパニーズウイスキーが世界中から注目されるきっかけを作りました。
これまでに10銘柄以上の余市が誕生していますが、現在は原酒不足のため、ほとんどが販売されていません。
現在も販売されいるのはノンエイジの「シングルモルト余市」のみです。
[itemlink post_id="4475"]シングルモルトウイスキー「余市」の8種類と味わいを解説
ここからは、シングルモルトウイスキー「余市」の代表的な種類と、それぞれの味わいについて解説していきます。
- ①シングルモルト余市
- ②シングルモルト余市ウッディ&バニラ
- ③シングルモルト余市シェリー&スイート
- ④シングルモルト余市ピーティ&ソルティ
- ⑤シングルモルト余市10年
- ⑥シングルモルト余市12年
- ⑦シングルモルト余市15年
- ⑧シングルモルト余市20年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①シングルモルト余市
「シングルモルト余市」は、現在も販売されている唯一の余市で、もっともスタンダードな銘柄と言えます。
原酒不足の影響で、年代が表記されている余市は2015年にすべて販売が終了しました。
しかし、「シングルモルト余市」も品薄なので、定価での購入はしにくいのが実情です。
ノンエイジとはいえ、余市の名を冠しており、「余市蒸留所」でこだわりを持って作られています。
オークの甘みとスモーキーな後味で、本格的なウイスキーをしっかりと楽しめるでしょう。
[itemlink post_id="4475"]②シングルモルト余市ウッディ&バニラ
「シングルモルト余市ウッディ&バニラ」は、余市蒸溜所限定で販売されているウイスキーです。
樽由来のウッディさが際立っており、スモーキーな香りを楽しめます。
アルコール感は強めですが、新樽らしいメロンやバニラの爽やかな甘みの味わいです。
[itemlink post_id="4480"]③シングルモルト余市シェリー&スイート
「シングルモルト余市シェリー&スイート」は、余市蒸溜所限定で販売されているウイスキーです。
シェリー樽原酒の比率が多めにブレンドされているウイスキーで、独特な甘酢っぱさを楽しめます。
ベリー系の酸味と、クッキーのようなまろやかな甘みの味わいです。
アルコールの辛み、タンニンの渋みはやや強く、マッカランのような風味も感じられます。
[itemlink post_id="4479"]④シングルモルト余市ピーティ&ソルティ
「シングルモルト余市ピーティ&ソルティ」は、余市蒸溜所限定で販売されているウイスキーです。
余市特有の塩気が際立つ原酒が多めにブレンドされており、スモーキーさはかなり強めの仕上がりになっています。
アルコール感は強めで、好みは分かれるでしょう。
ドライでボディの厚いウイスキーが好きな人にはぴったりのウイスキーです。
[itemlink post_id="4478"]⑤シングルモルト余市10年
「シングルモルト余市10年」は、酒齢10年以上の原酒をブレンドして作られたシングルモルトウイスキーです。
ノンエイジの「シングルモルト余市」よりも味わいは複雑になっており、上品な仕上がりになっています。
特徴はラズベリーの酸味がメインで、うっすらと火薬のような香りです。
マンゴーやカシスなどの品のある甘みが最後まで続く味わいで、ゆっくりとウイスキーを楽しみたい人に向いています。
[itemlink post_id="4481"]⑥シングルモルト余市12年
「シングルモルト余市12年」は、酒齢12年以上の原酒をブレンドして作られたシングルモルトウイスキーです。
先ほど紹介した「シングルモルト余市10年」よりもピートは弱く、木樽の甘さ・華やかさが強まっています。
深い新緑を想起させる木樽や、フレッシュな薔薇のつぼみのような香りが特徴です。
味わいはマンゴーやベリーのドライフルーツ系で、スパイシーな後味が続きます。
[itemlink post_id="4482"]⑦シングルモルト余市15年
「シングルモルト余市15年」は、酒齢15年以上の原酒をブレンドして作られたシングルモルトウイスキーです。
「シングルモルト余市10年」や「シングルモルト余市12年」は個性が強く、荒々しい力強さを感じられます。
しかし、15年以上熟成させている原酒で作られた「シングルモルト余市15年」に無骨さはなく、まろやかな仕上がりです。
上質なバニラとオレンジのフルーティーな香りで、レーズンやベリー系のドライフルーツを感じられる味わいです。
もちろん、余市特有のスモーキーさも感じられます。
[itemlink post_id="4484"]⑧シングルモルト余市20年
「シングルモルト余市20年」は、酒齢20年以上の原酒をブレンドして作られたシングルモルトウイスキーです。
余市の中ではもっとも熟成年数が長い銘柄で、希少価値においても「余市」の頂点に君臨しています。
ネット上の価格は700mlで50〜70万円で取引されているほどで、コレクターからも人気です。
これまでの余市の個性が濃縮されており、香りも味わいも複雑さが際立っています。
香りはアロマ系で、マンゴー・ナッツ・ラズベリー・バナナなどのドライフルーツを感じられます。
熟したブドウ・ビターチョコレートなどの苦味が強く、酸味とのバランスが絶妙です。
ボトルでの購入は価格的にもかなりハードルが高いため、バーなどで探して飲んでみるといいでしょう。
[itemlink post_id="1123"]シングルモルトウイスキー「余市」の飲み方はどれが美味しい?
次に、シングルモルトウイスキー「余市」の美味しい飲み方を解説していきます。
シングルモルトウイスキー「余市」の美味しい飲み方その①ストレート
シングルモルトウイスキー「余市」のもっともオススメな飲み方は、やはりストレートです。
余市の大きな特徴は、スモーキーで濃厚な香りです。
味わい深い濃厚な余市の香りを楽しむなら、ストレートで味わっておくべきでしょう。
華やかな香りとコクがあり、強めの口当たりは好き嫌いがハッキリと分かれます。
自分の好みを知るためにも、チェイサーを少し多めに用意してゆっくりと楽しみましょう。
シングルモルトウイスキー「余市」の美味しい飲み方その②ハイボール
シングルモルトウイスキー「余市」は、ハイボールでも非常に美味しく飲めます。
「高価なウイスキーをハイボールにするのは、、、」と思う人もいるかもしれませんが、余市は日本人向けに開発されたウイスキーです。
そのため、炭酸水で割れば日本人向けのハイボールに仕上がります。
ピートや香りは薄まりますが、ストレートやロックよりも格段に飲みやすく、飲みごたえは抜群です。
通常よりも濃いめの、1(ウイスキー):3(炭酸水)の割合で作れば、かなり濃厚なハイボールが楽しめます。
余市はもともと味と香りの強いウイスキーなので、1:3よりも薄めに作ってもしっかりと存在感を感じられるでしょう。
まとめ
この記事では、余市の歴史や種類、美味しい飲み方について解説しました。
日本のウイスキー2大メーカーといえば「サントリー」と「ニッカウヰスキー」でしょう。
「山崎」や「白州」などサントリーのウイスキーはまとまった味わい印象で、ニッカウヰスキーはスモーキーで非常に個性が強い印象です。
中でも「余市蒸留所」の名を冠する「シングルモルト余市」は特に個性が強く、熱狂的なファンも少なくありません。
クセが強い余市ですが、飲まず嫌いで最初から試さないのはもったいないです。
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